サーキュラー・エコノミーへの転換によるリスクと機会
サーキュラー・エコノミー(循環経済)が注目されています。
サーキュラー・エコノミーは、従来「廃棄」されていた製品や原材料などを、新たな「資源」ととらえ、廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組みを指します。
経済産業省は2020年7月31日、「第3回 サーキュラー・エコノミー及びプラスチック資源循環ファイナンス研究会」を開催しました。
本研究会では、ガイダンスにおける「価値観(仮称)」において、 サーキュラー・エコノミーの位置づけについて、議論となっています。
サーキュラー・エコノミーへの移行を進めることで、他の社会課題に対してネガティブな影響を及ぼさないか、音が支部チェックの役割を価値観に持たせることが考えられるとしています。
事業者と投資家等との対話にあたっては、「 サーキュラー・エコノミーになぜ取り組むのか」、「中長期的にどおような価値創造ストーリーを描いているのか」といった全社的・中長期的な記述が前提として必要としています。
サーキュラー・エコノミー関連のリスクと機会についても整理しています。
サーキュラー・エコノミーに転換する機会として
・枯渇性資源への依存度の減少による原材料価格の安定化
・枯渇性資源への依存度の減少によるサプライチェーンのレジリエンス向上
・エネルギー消費の削減
・循環経済の観点から製造・販売・使用・消費・廃棄をとりまく規制や税制変更の自社ビジネスへの有効活用
・自社製品・副産物・廃棄物の再利用・最資源化、IoTを通じた資源効率性向上による製造コストの削減
・環境配慮型製品・サービスの新市場・顧客獲得
などをあげています。
一方、サーキュラー・エコノミーに転換する上のでの留意事項として
・廃棄物量に依存する再生資源の不安定供給による原材料価格のボラティリティ発生、サプライチェーンの分断
・再生資源供給システムにおける有害物質の混入によるリサイクルシステムの分断
・エネルギー効率を度外視したリサイクル等を優先する場合のエネルギー消費の増大
・循環経済の観点から製造・販売・使用・消費・廃棄をとりまく規制や税制変更の国ごとの違いや改正をフォロー・適応するコスト
・循環型ビジネスモデルに転換する上での初期投資財源確保・短期的利益のみを見る投資家からの投融資引き上げ
・環境配慮よりも価格を優先する既存顧客の喪失
などの点をあげています。
サーキュラー・エコノミー関連のリスクと機会を、政策と法、技術、市場などのTCFDガイダンスのリスクに沿って分類しています。
出所:経済産業省 第3回 サーキュラー・エコノミー及びプラスチック資源循環ファイナンス研究会 2020.7
いろいろと比較をすると、サーキュラー・エコノミーに転換は、さまざまな期待ができるものの、実態としてはさまざまなハードルを超えていく必要がありそうです。
ただ、流れ的には、サーキュラー・エコノミーを志向して行く必要があるでしょう。