新型コロナウイルスによる社会変容
経済産業省は2020年6月17日、「第26回 産業構造審議会総会」を開催しました。
本総会の「新型コロナウイルスの影響を踏まえた経済産業政策の在り方について」から、新型コロナウイルスによる社会変容に焦点をあてて紹介をしたいと思います。
接触回避として、テレワークやオンライン会議など、デジタル化・オンライン化が加速しています。オンライン教育の利用への意向も高まってきています。オンライン・エンターテイメントでは、「バーチャル渋谷」など、仮想空間で再現するといった取り組みも紹介しています。
出所:経済産業省 第26回 産業構造審議会総会
職住不近接の動きも出てきています。地方への転職希望者は1.5倍にとなっており、都心より生活地に近いワークプレイスへのニーズも高まっています。
労働市場のグローバル化も第3のアンバンドリングとして個人単位でのタスク分離によるバーチャルプレゼンス(DX)革命の動きを紹介しています。
出所:経済産業省 第26回 産業構造審議会総会
ギグエコノミーでは、デジタル技術を活用した新しい働き方、無人化・AI化の進展も紹介しています。
新型コロナの影響により、米国では今後5年以内に、全ての仕事をオンライン労働プラットフォームを通じて行う労働者は2倍以上になるとの予測もあげています。オンラインショップの利用も増加しており、配送の無人化も加速するでしょう。人が配送していたのを置き換えられるといったことも増えていくでしょう。
出所:経済産業省 第26回 産業構造審議会総会
WEF・シュワブ会長は"資本主義の「グレート・リセット」"の必要性を指摘しています。
• 私たちに今必要なのは、資本主義の「グレート・リセット」。
• 「グレート・リセット」を追求すべき理由はいくつもあるが、最も差し迫った深刻な理由は、言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大。パンデミックはまだ終わっておらず、このことは、経済成長、公的債務、雇用、人間の幸福に深刻な長期的影響を及ぼし、さらに、既存の気候や社会課題を悪化させる。こうした危機を放置する事は、新型コロナウイルス感染拡大の危機とともに、さらなる危機を生み、世界は持続可能性、平等性、そしてより脆弱性をさらに低下させることになる。私たちは、経済・社会システムのためのまったく新しい基盤を構築しなければならない。
• 「グレート・リセット」の実現に向け重要な姿勢は3つ。
一つ目は、より公平性のある市場を目指し、かじ取りをしていくこと。この目的のために、政府は「ステークホルダー経済」のための条件を整えるべき。
二つ目は、社会や経済が停滞する中で、システムを変革するために新しく拡張された投資プログラムを活用すること。
三つ目は、第四次産業革命のイノベーションを活用した上で、公共の利益、特に健康と社会的課題に取り組むこと。
出所:経済産業省 第26回 産業構造審議会総会
興味深いのは、経済・社会システムのためのまったく新しい基盤の構築。このための「グレート・リセット」の実現に向けての、「ステークホルダー経済」のための条件整備とかです。
いま、世界も日本も大胆なリセットが求められている時期といえるでしょう。
出所:経済産業省 第26回 産業構造審議会総会