Society 5.0で求められる大規模データ流通サービスプラットフォームとは
調査会社の IDC Japanは2019年12月9日、「データ流通サービスプラットフォーム市場の展望に関する分析結果」を公表しました。
本調査によると、Society 5.0で求められる大規模データ流通サービスプラットフォームでは、スケーラビリティ、エッジの活用、リアルタイム処理、セキュリティおよびガバナンス機能の提供などが重要な要件となるとしています。
データ流通サービスプラットフォームの構成
出所:IDC Japan 2019.12
今後、あらゆる分野で4K/8Kなど高精細画像のAIによる分析が行われるようになると、データ流通サービスプラットフォームには、
・これまでとは桁違いのビッグデータ処理を可能とするスケーラビリティ
・エッジ処理のサポート(中央のクラウドの処理能力がボトルネックとなるケースが多いため)
が重要になるとしています。
Society 5.0では、企業間のデータ共有などによるデータの利活用(データ流通)の推進が重視されるとしています。背景には、今後、IoTデバイスによって膨大なデータの収集が可能になり、収集されたデータを組み合わせて分析することで、さまざまな新しい価値の提供が可能になるとの共通認識があります。IDCでは、2020年春にサービス提供開始予定の次世代移動通信サービス5Gは、この流れを強力に後押しすると予測しています。
データの利活用の拡大には、そのために必要な処理を、多くの企業が参加する共通サービスプラットフォームの形で提供することが求められます。
共通サービスプラットフォームの提供には、
・データ利活用のサイロ化を回避とITリソースの効率利用
・自社でこのようなシステム基盤を構築する力のない企業もデータ流通を参加可能
これにより、データ利活用の裾野を広げることができるとしています。
IDC Japan では、
Society 5.0で求められる大規模なデータ流通プラットフォームに必要なスケーラビリティやリアルタイム性などを実現するには、多くの技術イノベーションが必要であり、ITサプライヤーにとって、そのような要素技術を提供可能な状態で保有することが、産業分野の企業とのパートナーシップ獲得における切り札の一つとなる、と提言しています。