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加熱するRPA市場

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業務負担の軽減や長時間労働削減など「働き方改革」を実現する手段として、RPA(Robotic Process Automation)に注目が集まっており、企業の導入が進み、ベンダ間の競争も加熱しています。

調査会社 のIDC Japan は2019年10月7日、「国内RPAソフトウェア市場シェア」を発表しました。2018年の国内RPAソフトウェア市場(ベンダー売上額ベース)は前年比成長率113.5%で、市場規模は155億600万円となっている。産業分野では金融や製造業を中心に市場が伸びています。

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出所:IDC Japan 国内RPAソフトウェア市場シェア 2019.10

IDCの調査によると、2018年の国内RPAソフトウェア市場シェアの首位はNTTデータ、2位がUiPath、3位が富士通、4位がAutomation Anywhere、5位がBlue Prismとなっています。

国内RPA市場では上位3社の合計がシェアの75.0%を占めており、シェアトップのNTTデータが昨年にシェアトップを堅持している。NTTデータは、NTTグループで開発したRPAツール「WinActor(ウィンアクター)」を展開し、金融、サービス、通信など、さまざまな業種の企業が利用しています。

「WinActor」は、NTTアクセスサービスシステム研究所で研究開発された技術をベースに、NTTアドバンステクノロジが商標登録をしており、2014年に商品化した純国産のRPAツールで、国内では3200以上の企業が利用しています(2019年5月現在) 。

2位のUiPathは、IDCによると、急成長を遂げており、ソフトウェアの日本語化の対応や、従業員採用など日本市場への積極的な投資を行っています。

UiPathは、2019年9月20日(金)から12月27日(金)までの期間限定で、国内初となるRPAとAIの連携ソリューション研究開発施設「UiPath x AI Lab Japan、以下 UiPath AI Lab」を開設。UiPath AI Lab では、UiPath社と30社以上のAI企業のエンジニアが参加し、AI-OCR、Chatbot、自然言語処理、マシンラーニング、ディープラーニングなど、さまざまなAIソフトウェアとRPAの連携を検証し、最適な組み合わせのプロセスを評価しています。

UiPathのマーケットプレイス『UiPath Go!』では、上記のAIソフトウェアや、ERPやCRMなどのビジネスアプリケーションの自動化ソリューションなどの各種コンポーネント群をマーケットプレイス「UiPath Go!」で公開している。ユーザ自身が、「UiPath Go!」からダウンロードし、UiPathと各種コンポーネントを連携して開発することができます。

3位の富士通は、自治体への導入に強みを発揮しています。富士通は2019年4月18日に、自治体向けRPAソリューション「FUJITSU 自治体ソリューション Axelute for IC21(アクセリュート フォー アイシー21)」(以下、「Axelute for IC21」)の提供を開始しました。「Axelute for IC21」では、住民記録や財務情報、国民健康保険など、自治体の定型業務を自動化するRPA標準シナリオテンプレートを提供しています。

4位のAutomation Anywhereの日本法人オートメーション・エニウェア・ジャパンは10月8日、RPAプラットフォームの最新版「Automation Anywhere Enterprise A2019」の提供を開始した。最新版の「Enterprise A2019」では、「RPA-as-a-Service」として、オンプレミス、パブリッククラウド、プライベートクラウドなどの環境で利用可能となる。また、中小企業や開発者、学生向けに無償版「Automation Anywhere Community Edition」の提供も始めています。

RPAの市場は、1位のNTTグループや3位の富士通などの国内事業者が上位を占めています。その一方で、2位のUiPath、4位のAutomation Anywhere、5位のBlue Prismなど、海外で実績豊富な外資系の事業者が追いかける構図となっています。

国内の外資系のRPA事業者の取り組みをみてみると、積極的な人材採用や投資を行い、研究施設の開設や、マーケットプレイス、クラウドサービスとしての提供、中小企業や開発者、学生向けへの無償版の提供などのさまざまな展開を行っています。

特に、注目しているのが、外資系を中心に対応を進めているRPAのクラウドサービス提供の動きです。IDCによると、国内のRPAの市場はオンプレミス市場が市場構成の大半を占めているが、今後、RPAの領域においてもクラウドサービスの導入が進んでいくと考えられます。

企業におけるRPAの導入は、一般的にはPoC(概念実証)から始めて対象業務の洗い出しや評価を行うなどの対応を行った上で本格導入を判断する。オンプレミスシステムで導入をしていく場合は、導入スピードが遅くなり、システム拡張などの稼働とコストがかかるため、自社での導入を拡大し組織横断で展開していくには、足かせになるケースも多いでしょう。

また、RPAの場合はRPAのシステムだけでなく、APIを通じて、さまざまなビジネスアプリケーションサービスとの連携により、それぞれのワークフローを統合し、さらなる自動化を進めていくことが理想です。

さらに、RPAは単なる自動化ツールにとどまらず、データ分析や機械学習などのサービスとの組み合わせにより、社内のワークフローや業務プロセス関連のデータを収集・分析し、経営に関わる意思決定を行うための経営戦略のためのツールとしての位置付けまで、進化していく可能性を秘めています。

国内のRPAの市場が急激に成長する中、企業は本格導入を模索しつつある段階で、企業のニーズの拡大や多様化にあわせて、RPAを提供する事業者もさまざまな提供形態や、サービス連携なども模索している段階と考えられます。

日本の事業者がシェアを堅持するのか、海外勢が勢いを拡大するのか、シェア獲得競争は益々加速していくと予想される。そういった状況の中、企業は、対象業務の洗い出しや範囲拡大、さらには、全社展開など経営戦略も踏まえた中長期視点にたって、自社の業務に適したRPAツールやRPAクラウドを選定するとともに、運用体制を確立し、推進を行っていく必要があるでしょう。

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