デジタル時代のパートナー戦略
ガートナー ジャパンは2019年8月20日、「デジタル時代にふさわしいパートナー戦略に関する指針」を発表しました。
ガートナーが日本企業のITリーダーを対象に実施した最新のサーベイの結果では、IT施策遂行における委託先パートナー の位置付けについて、「開発・運用の委託先パートナーはIT戦略上の重要な存在である」と回答している企業の割合が全体の85%に上っています。その一方で、「現在の委託先パートナーに満足している」割合は42%と低い数値となっています。
出所:ガートナー デジタル時代にふさわしいパートナー戦略に関する指針 2019.8
ガートナーでは、このような調査結果となっている背景について、以下のとおり述べています。
企業はこれまで、コスト削減、効率化、人員補完による余力創出を目的としてアウトソーシングを活用してきました。しかしながら、期待した成果が見いだせないか、あるいは、長期にわたるアウトソーシングによって『パートナー依存』に陥っている現状が見て取れます。企業におけるアウトソーシングの需要は今後も増える傾向にあり、IT支出に占める比率も拡大すると予想されます。IT部門が人材不足の課題を解決できない状況は続くと考えられます
としておりパートナー依存度の高さが、現在の問題点を浮き彫りにしています。
今後の外部委託範囲に対する意向では、企業のリソース不足が叫ばれる中、今後の外部委託範囲については、「設計・開発・実装」と「運用・保守」だけでなく、上流工程である「戦略・企画立案」においても、増やしていく意向が見らるとしています。
出所:ガートナー デジタル時代にふさわしいパートナー戦略に関する指針 2019.8
ガートナーでは、
デジタル時代において、IT部門が社内のプレゼンスを向上させるためには、ステークホルダーに対するIT部門の役割を明確にすることが大前提です。その上で、パートナーシップの在り方を再構築していく必要があります。パートナーには、これまで中心であった、大手ITベンダーだけでなく、多彩なソーシング・オプションの可能性を追求していくことが求められます。同時に、こうした多様なパートナーの能力を最大限引き出していくためには、モードを切り分けたベンダー管理能力や、契約交渉力の強化に対する取り組みが欠かせません
としており、IT部門の役割の再定義やパートナーシップの在り方の再構築による多彩なソーシング・オプションの可能性を追求していくことが求められています。