IT人材不足の現状と背景 -IPA「IT人材白書2017」から
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2017年4月25日、「IT人材白書2017」を公表しました。
本白書は、以下のとおり構成されています。
第1部 「IT人材白書2017」の概要
第2部 IT人材の現状と動向
第3部 2016年度 調査結果
第4部 教育機関動向経年比較と産業界のニーズ
第5部 IT人材育成の主な活動
今回は、第2部 IT人材の現状と動向の、第3章 IT人材不足の現状と背景を中心にご紹介したいと思います。
IT企業におけるIT人材の"量"に対する過不足感について10年間の変化では、 IT企業では、リーマンショック以来高まり続けていたIT人材の"量"に対する不足感の高まりがやや緩和し、「大幅に不足している」と答えた割合が、2015年度調査の24.2%から、今年度では20.3%と減少しています。
人材不足改善の取り組みのうち効果があったものでは、IT企業に、人材不足改善の取組みのうち効果があったものは「社内人材の育成強化」が最も多く、66%に上っており、続いて多様な人材の採用・活用が49.0%と続いています。
出展:「IT人材白書2017」 2017.4.25
次に、ユーザー企業におけるIT人材の"量"に対する過不足感について9年間の変化では、2010年ごろに不足感が減少した以降、2014年度調査までは不足感に大きな変化のなかったユーザー企業だが、2015年度調査の結果ではIT人材の"量"について、「大幅に不足している」「やや不足している」と回答した割合が増加しており、今年度も引き続き不足感が増す傾向にあるとしています。
出展:「IT人材白書2017」 2017.4.25
日米の情報処理・通信に携わる人材の業種別人材の割合では、日本は「IT企業」が72%となっていますが、米国の場合は、「IT企業」が34.6%に次いで、「サービス」の割合が30.2%と高くなっており、ユーザ企業に分散している傾向がみられます。
出展:「IT人材白書2017」 2017.4.25