ハイブリッドクラウドは、どのようなパターンが多いのか?
近年、多くの事業者が「ハイブリッドクラウド」をテーマにプロモーションを展開しています。では、ハイブリッドクラウドとはどういう形態を指すのでしょうか? 事業者によってハイブリッドクラウドの考え方やアプローチが大きく異なっていると感じるときがあります。
調査会社の 451 Researchが発表した「Hosting and Cloud Study 2015」では、ハイブリッドクラウドの利用形態やマイグレーションのパターンなどを紹介しています。
まず、ハイブリッドクラウドの連携パターンについて、評価や導入などのプロセス別にまとめています。
最も多いのが、オンプレミスプライベートクラウドとホスティッドプライベートクラウドとの連携で合計で63%となっています。続いて、オンプレミスプライベートとパブリッククラウドが合計で45%、ホスティッドプライベートクラウドとパブリッククラウドの連携が32%となっています。
出所:451 Research, Hosting and Cloud Study 2015
パブリッククラウドからプライベートクラウドへの有無とその形態についても調査しています。パブリッククラウドからホスティッドプライベートクラウドに移行する形態が50%と最も多く、パブリッククラウドからオンプレミスプライベートクラウドに移行する形態も18%となっています。将来的には、ホスティッドプライベートクラウドへの移行が52%となっていることから、移行も含めてプライベートクラウドの導入がより加速していく可能性が考えられます。
出所:451 Research, Hosting and Cloud Study 2015
上記のようなハイブリッドクラウドにおけるマイグレーションが進む契機となっているのが、セキュリティが35%と最も高く、情報システム部門の管理のしやすさが19%、そしてパフォーマンスが17%と続いています。パブリッククラウドを導入・移行してみたものの、セキュリティやパフォーマンスに不満を感じ、自社で管理したいというユーザ企業のニーズは高まってきていると考えられます。
出所:451 Research, Hosting and Cloud Study 2015
以上のように、ハイブリッドクラウドは、ホスティッドプライベートクラウドを中心に、オンプレミスプライベートクラウドやパブリッククラウドが連携しているが多くを占めていると考えられます。本リサーチ資料をみながら、各クラウドクラウド事業者のハイブリッドクラウド戦略を比較してみると、新たな発見といろんなビジネスの可能性が見えてくるかもしれません。