オープンデータの利活用推進について
政府のIT総合戦略本部は2015年2月24日、「電子行政オープンデータ実務者会議 利活用推進ワーキンググループ(第1回)」を開催し、運営体制や議論すべき検討課題などをあげています。
事務局が提示した「利活⽤推進ワーキンググループの 検討課題(事務局案)について」では、これまでのオープンデータの取組状況、オープンデータに係る環境整備、オープンデータに関する主な国際ランキングなどをあげており、主な国際ランキングでは、日本の順位は19位と先進国の中では必ずしも高い位置ではない状況となっています。
出所:電子行政オープンデータ実務者会議 利活用推進ワーキンググループ(第1回)
利活⽤推進WGの今後の検討課題(事務局案)では、
(1)ニーズの把握や掘り起こし
(2)利活⽤に係る指標や評価のあり⽅
(3)オープンデータの普及啓発
(4)海外展開のあり⽅
の4つをあげています。
(1)ニーズの把握や掘り起こし の現状では、
○ニーズや効果の把握が困難であることが取組が進まない⼤きな理由との意⾒が多い。
○営利企業はデータ利活⽤の経済効果の公表を控える傾向にあるが、⽶国では企業での利活⽤事例をまとめた「オープンデータ500」が公表。⽇本での利活⽤事例(特に経済効果が⽰されたもの)はまだ少ない。
○アイデアソン、ハッカソン等が継続的なビジネスにつながっているかどうか
とし、検討項目として以下の2点をあげています。
○各分野の有識者のヒアリング等を通じ利活⽤のニーズや効果を整理
○効果的なニーズの掘り起こしのあり⽅
(2)利活⽤に係る指標や評価のあり⽅ の現状では、
○我が国のオープンデータの利活⽤に係る指標は未設定
○利活⽤に係る評価指標は国際的にも未確定
・Open Data Indexでオープンデータを活⽤したアプリやサービスがどの程度存在するかが評価指標としてある程度。
○過去の実務者会議等においては
・データカタログサイトのアクセス数
・オープンデータを⽤いて作成されたアプリケーションの数 等が議論で出ている。
○オープンデータの利活⽤が社会的または経済的にどのような効果 をもたらしたかどうか。
とし、検討項目では、
○国際的な評価指標の調査
○社会的な効果
○上記を踏まえた評価指標のあり⽅
の3点をあげています。
(3)オープンデータの普及啓発 の現状では、
2014年11⽉内閣官房IT総合戦略室実施が実施した、住⺠アンケートでは、「全く知らない」が75%
となっており、検討項目では、
○具体的な利活⽤につながる効果的な普及・啓発活動のあり⽅
の検討の必要性を示しています。
(4)海外展開のあり⽅ の現状では、
○日本では、オープンデータの海外展開に関する取り組みは未実施
となっており、検討項目では、
○海外展開に⽇本としてどう取り組んでいくか
例)⽇本企業が海外進出する際の基礎データとして活⽤が可能
○オープンデータの利活⽤等に関する我が国のアプリ、システムやノウハ ウの海外展開
をあげています。
利活用の検討にあたっては、オープンデータを活用したデータドリブンのエコスステムを形成し、エコシステムの枠組みにあるそれぞれの事業者が有機的につながり、サービスの発展や収益につながるモデルを作っていく必要があると考えています。
改めて、自分自身もこの辺は整理していきたいと考えています。