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2020年にIoT(Internet of Things)の普及でつながるデバイスと市場の成長性

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IoT(Internet of Things)の普及に伴い、様々な事業者各社がIoTでつながるデバイス数と市場の成長性を明示しており、特に注目すべきは一つの節目となる2020年です。各社の2020年をイメージしたIoTに関わる発表内容や市場の成長性を整理してみたいと思います。

□ガートナー

米調査会社のガートナーによると、2009年時点でインターネットにつながっていたモノの数はおおよそ25億個で、そのほとんどは、PCやスマートフォン、タブレット端末といったデバイスですが、2020年には、IoTの普及は急速に進み、2020年には300億個以上のデバイスがつながり、コンピュータ以外のデバイスが過半数を占め、1兆9000億ドル(約194兆円)の経済価値を創出すると予測しています。

□インテル

インテルは、IoTの普及により、2020年には確実に500億のデバイスがインターネットに接続されると予測しています。その多くは、PCやスマートフォン、タブレットといった人が使うデバイスではなく、自動車や自動販売機、工場設置機器、医療機器などのデバイスがつながり、これらのデバイスにつながるデータを活用したビジネス展開が鍵になるとしています。

□シスコシステムズ

シスコシステムズは、2013年現在で、IoTによりつながるデバイスは100億近くまで増加し、2020年には500億台のデバイスがつながり、インターネットは、人、プロセス、データ、モノを組み合わせたIoE(Internet of Everything)の時代へと大きく成長し、今後10年間でIoTは全世界に14.4兆ドルの価値を生み、日本はそのうちの少なくとも5%を占め、国内に76.1兆円の新市場が生まれると予測しています。

さらに、シスコでは、IoEの普及に伴い、2012年から2017年に全世界のIPトラフィックは3倍に増加し、モバイルトラフィックは今後5年間で13倍にも膨れ上がると予測しています。シスコでは、デバイスから生成されるデータをネットワークが介してデータセンタ-で処理するクラウドのアーキテクチャーは、IoEの時代にはボトルネックに突き当たるとし、IoE時代にクラウドを最適化しアーキテクチャーを拡張化した分散型の新たなエッジコンピューティングモデルとして、「フォグコンピューティング」を提唱しています。

□マイクロソフト

日本マイクロソフトは2014年5月29日、東京都内で開発者向けカンファレンス「de:code」を開催し、後半の基調講演では、日本マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の伊藤かつら氏が、デバイスの数とデータの量が爆発的に増加し、2008年に世界に存在していたデバイスは世界人口と同じ70億個程度だったのに対し、2020年には10兆個になると予測しています(関連記事)。

□IDC

米調査会社のIDCは、2012年に約4兆8000億ドルだったIoTの世界市場規模が、2020年には約8兆9000億ドルになり、2020年までに自律的に接続されるデバイスのエンドポイントは300億台になると予測しています(関連リリース)。

また、IOTの本格的普及に伴い、デジタルデータの総量も急激に増加が予想されます。調査会社の米IDCによると2020年にはデジタルデータの容量は40ゼッタバイトに達すると予測しています。

 

以上のように、IoTで接続されるデバイスは数百億規模にも上り、全世界で一人あたりつながるデバイス数は、単純でも5,6台あたりの計算にもなります。

IoT普及で成長が見込まれるのが、家電やデバイス領域で統合製品によるサービス提供などが予想される「コネクティッドホーム」、「コネクティッドカー」、「ヘルスケア」などでの分野での利用が期待されています。

たとえば、自動運転車であれば毎時3.6TB、ジェットエンジンであれば毎時20TBのデータが生成されるといったように、日々加速度的に増加するデータ活用により、GEが提唱する「インダストリーインターネット」のように、各産業(インダストリー)において、新しいビジネスの形態の登場も期待されるところです。

 

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