富岡製糸場の世界文化遺産登録と地域ブランド
群馬県の富岡製糸場と絹産業遺産群が2014年6月にも世界文化遺産に登録される見通しというニュースが流れ、群馬県では、世界遺産登録を機に県内の温泉地との観光地などとの連携による県内の地域興しへの期待も高まっています。4月27日には昨年の同時期の2.5倍となる4792人が訪れています。
シンクタンクの群馬経済研究所が2013年10月30日に公表した「「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産登録された場合の経済波及効果について」では、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界文化遺産に登録された場合、観光客数は 45 万人増加し1年間で 75 万人、県内に年間34億円の経済波及効果が見込まれると予測しています。
経済波及効果の内訳では、宿泊業や飲食業などのサービス業への経済効果が 13 億円、鉄道・バスなどの交通関係は7億円、土産品販売などの商業が3億円としています。さらに、観光客に直接関係のない製造業などの業種にも幅広く経済効果がおよぶとしています。
ブランド総合研究所が2013年9月に発表した「地域ブランド調査2013 都道府県ランキング」では、群馬県は2012年は47県中で最下位、2013年でも44位と下位、日経リサーチ研究所の調査も46位と低迷しており、地域ブランドの低さが指摘されている中、今回の世界遺産登録による群馬県地域ブランドの向上と地域活性化の好機になると期待されています。
世界遺産登録による観光客の増加は期待されているものの、過去ブームになったものの数年で減少に転じるといったケースも多く、リピーターや外国人観光客の獲得も鍵となっています。群馬県のファンを増やし、世界への魅力を伝える発信力も検討テーマとなっていくでしょう。
また、1987年の操業停止後19年間も維持し続けていますが、100年、200年の単位で世界遺産登録後の保存・維持管理をしていくのかというのも大きなテーマとなっています。
富岡製糸場は自宅から車で30分ほどの近い場所にあり、世界遺産登録される見通しなのは、地元の立場としてもとても期待しているところです。