クラウドで自治体システムを統一する『自治体クラウド』
日本経済新聞の7月19日の一面に『自治体システム統一 ~住民票管理などネットでソフト共有』という記事が掲載されていました。2015年度をめどにすべての自治体が導入できるようにすると書かれています。総務省は、地方自治体が使うシステムを共通化を進めるとし、対象とするのは「住民記録の変更」、「住民税などの地方税業務」、「人事や会計システム」に使うと書かれています。本記事は「自治体クラウド」を指していると思われます。
IT戦略本部は7月6日、「i-Japan戦略2015 ~国民主役の「デジタル安心・活力社会」の実現を目指して~」(案)を公表し、『電子政府・電子自治体クラウドの構築等により、サーバを含む行政情報システムの共同利用や統合・集約化を進めること』と明記しています。
総務省の補正予算の中では、自治体のクラウド関連予算について以下の予算をあげています。
(ウ)自治体クラウドの開発実証 20.0億円
・全国3箇所にバランスよく分散配置されたデータセンターに、都道府県のリーダーシップの下、自治体の業務システムを集約し、クラウド・コンピューティングにより、データ連携、バックアップ、負荷分散など効率的な連携運用を実現
するとしています。
総務省が6月5日に公表した「ICTビジョン懇談会報告書-スマート・ユビキタスネット社会実現戦略-」では、『地方共団体においても、複数の地方公共団体が可能なものから情報システムの統合化・集約化を図る「自治体クラウド」の構築を進めるべきである』としています。
IT 戦略本部や総務省など、政府の「自治体クラウド」に対する本気度が伺えます、しかしながら、自治体は全国に1600以上もあり、自治体独自で構築したシステムや自治体それぞれの事情があり、一筋縄に「自治体クラウド」へ移行するというのはなかなか容易ではありません。5年以上の中長期で見た自治体の共通システムのあり方の議論の展開が注目されるところです。