ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム(ASPIC) オータムミーティング2008に参加して
昨日(9月30日)、ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム(ASPIC)の「オータムミーティング2008(PDF)」に参加してきました。テーマは、ASP・SaaSの普及促進と業種別事例で、最初にASPIC 会長 河合輝欣氏より「ASP・SaaS の普及促進状況とASPIC の活動計画、活動状況」についてお話があり、基調講演に経済産業省の方より「中小企業向けSaaS 活用基盤整備事業について」の基調講演がありました。また、午後には総務省の方より「地方公共団体におけるASP・SaaSの普及促進について」のお話がありました。
ASP・SaaSの普及にあたって、課題になっているのは、ASP・SaaSの認知度や理解度がまだまだであること、そしてASP・SaaSについて信頼性や安全性などについて不安を感じている点などがあげられています。
普及活動や信頼性や安全性などの対応については、ASPICや経産省、そして総務省などが様々な取り組みをしていますのでここでポイントのみ整理させていただきます。
昨年6月に、ASPICや総務省などが中心となり「ASP・SaaS普及促進協議会」が立ち上がり、「ASP・SaaS安全・信頼性に係る情報開示指針」をとりまとめました。また、総務省は今年1月に「ASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン」の策定をしています。そして、開示指針に基づき、「ASP・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」が創設され、現在(8月現在)では26のサービスが認定されています。
また、経済産業省においては中小企業の「SaaS活用基盤整備事業」を実施し、財務会計などのバックオフィス業務から電子納税電子申請までを一括して行えるワンストップのSaaS型活用サービスを官民連携して構築・普及させていく取り組みを実施しています。平成21年度中には、中小企業50万社の利用を目指しています。本施策においても「SaaS向けSLAガイドライン」を策定し、ユーザ企業と提供企業間で合意すべきサービス内容やその具合的設定例などを提示しています。
総務省においては、地方公共団体のおけるASP・SaaSの普及についても取り組みを実施しています。LGWAN(総合行政ネットワーク)を利用したASP利用、複数の自治体が共同して電子自治体業務のアウトソーシングによるASP・SaaS利用等を紹介していました。また、地方公共団体がASP・SaaSに関する理解度が不十分な状況を考慮し、地方公共団体向けの「ASP・SaaS活用ガイドライン(仮称)」を10月中旬ごろに提示する予定とのことです。
ASPIC、経済産業省、総務省の取り組みで共通する点は、ASP・SaaSの普及活動と安全性や信頼性を高めることです。これらをユーザ側がどう理解し、どのように導入に向けて行動をしていくか、これから1年、ASP・SaaSが普及していくか重要な年になるのではないかと感じています。