日本は優秀な技術や人を持つのに事業化がヘタ
先日、グーグルとヤフーの広告事業の提携が発表されました。グーグルはヤフーと提携することによってネット市場への影響力はさらに増すでしょう。そしてアップルの日本国内でのiPhone(アイフォーン)の発売も我々に大きなインパクトを与えました。その他、IT業界で最近聞く企業名は、マイクロソフト、フェースブックなど。アジアを見てみると、ASUSの「Eee PC」等の台湾メーカが元気です。
世界のIT市場の中で日本の企業名をあまり目にすることはありません。むしろ、日本においてはIT業界の人気が低迷しており、さらに、日本のIT分野においての国際競争力低下に歯止めがかかりません。
優秀な人との技術を持つのに事業化がヘタ
日本経済新聞の6月14日の一面に「価値を創る 第1部新しい競争軸」という記事を大変興味深く読ませていただきました。記事のポイントは、
日本には優秀な人との技術を持つのに事業化がヘタである悪評を断ち切ろうと、産学連携などに力点を置いているが、海外のダイナミックな動きには及ばない状況である点を指摘しています。日本においては、高い技術力と頭脳をもつ「隣の異才」の才能を殺さず、チーム力で支えていく取り組みが必要であるとしています。
何故日本企業はアップルやグーグルに勝てないのか?
今年1月に、「アップルやグーグルに日本企業は何故勝てないのか?」という記事を書かせていただきました。日本の技術改革の遅れの背景、そして消費者向けサービスを生み出すパワーに欠けている点を述べさせていただきました。特に問題が大きいのは、要素技術の研究が大企業型になってしまい、その結果、消費者向けのサービスに結びつかない構造になってしまっている点です。
日本は要素技術や優秀な頭脳を持ちながらも、世界に勝てない。そしてガラパゴス現象と言われ、独特の進化しかできない。力を持っているのに、それを、ユーザ視点の現場感覚で事業化にもっていくというプロセスが世界の先進国と比べると劣っているように見受けられます。
日本の優秀な人材と技術、それをユーザ現場にもっとシステマティックにトランスフォームしていくための仕組みの構築と、そして事業化意識の土壌づくりが、今必要とされてきているのではないでしょうか。