日本は今、少子高齢化や環境問題など解決すべき課題は山積みとなっています。日本の喫緊の課題は、大きく分類すると「国際な存在感の低下」、「地域格差の拡大」に分けられ、経済成長と経済活性化における成長力強化をしていくことが求められています。
情報通信政策の観点からの成長力強化
総務省は4月3日、ICT成長力懇談会(第5回)を開催し、「ICT成長力懇談会」中間とりまとめ(案)を公表しました。先ほどあげた、「国際な存在感の低下」、「地域格差の拡大」の課題に対して、“「情報通信政策の観点」から、これらの課題にどう取り組むべきか、明確な戦略の再構築が必要”としています。
中間とりまとめの中で“成長力強化に真に必要な分野”として、グローバル成長力⇔地域成長力、ICT産業⇔ICT利用産業の2軸でマッピングし、強化すべき分野を明確化にした上で、「ICT成長力強化プラン(仮称)」として策定し、成長力強化を総合的に推進するとしています。
デジタル文明開化プロジェクト(仮称)
成長力強化プラン(仮称)は、「ICT産業の国際競争力強化」、「ICTのつながり力による産業改革」、「新たなデジタル市場の創出」、「官民をあげたデジタル適応力の向上」の4つに分けられています。
「ICTのつながり力による産業改革」の中では、オールジャパンで取り組む大型プロジェクトとして、日本中の知的資産を総デジタル化する「デジタル文明開化プロジェクト(仮称)」を実施するとしています。国立国会図書館、国立公文書館、他府省庁、地方自治体、図書館・博物館・美術館、大学等との連携を図り、産学官を挙げてデジタル化が推進されることになります。
これまでも、図書館、公文書館、博物館、美術館等の収蔵品や文化資源をデジタル化して保存するデジタルアーカイブという取り組みがなされてきました。国立公文書館デジタルアーカイブは、その代表的な取り組みと言えるでしょう。
一方、YouTube等の自治体による動画投稿も始まっています。代表的なのは会津若松市で戊辰戦争により破壊された会津鶴ヶ城を再生するまでの記録映像が公開されています。
兵庫県新温泉町では、加藤文太郎記念図書館や浜坂先人記念館「以命亭」の内容が紹介されています。
これまでは配信技術の問題等もありデジタル画像が多かったと思いますが、YouTubeやニコニコ動画に代表されるように動画投稿共有も一般的になりつつあります、今回施策として打ち出した「デジタル文明開化プロジェクト(仮称)」も動画によるデジタル動画文明開化を目指して、多くのユーザの目に触れられる機会を増やし
ていくことが期待されるところです。
林 雅之
2008/04/06 08:18:09