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ICT政策と利活用に関する国際比較ランキング

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日本のICT国際競争力の低下が問題視されています。特に携帯電話の“ガラパゴス現象”についてはよく言われるところですが、消費者側の視点で見ればGPSやワンセグが搭載されるなど充実した携帯電話に多くは満足していることと思います。インターネットも当たり前のように使いこなす人も増え、我々はIT分野において生活で不便を感じることは少なくなってきているのではないでしょうか?

 
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18日、「ICT成長力懇談会(第4回)」が開催されました。日本の成長力強化の検討にあたって喫緊の課題として、「国際的な存在感の低下」と「地域格差の拡大」の二つがあげ、情報通信政策の観点から成長力を強化していくためには、“情報通信と経済成長を結ぶ経路を明らかにし、そのつながりを高める施策に「選択と集中」すべき”としています。

 
ICT政策ですべきことは、

  • 経済成長と環境の両立(持続可能社会の構築)
  • アジアをはじめとした国際戦略の構築
  • 戦略的産業分野の明確化

を大きな方針とし、

  • 生産性・外部効果を高める施策
  • 資本投入を高める施策
  • 労働投入を高める施策

を論議するポイントとしています。

 
ICTの利活用に関する国際比較


ICT成長力懇談会では、成長力を強化していくためにICTの各種施策を進めていくとしていますが、国際的に見て日本はどの程度の立場に位置するのでしょうか?


国際的に見て差がついている分野をいくつかあげてみましょう。

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ICT成長力懇談会:ICT利活用及び利用環境整備に関する国際比較の事例(PDF)より)

 
医療・福祉分野

  • レセプト(診療報酬請求)のオンライン化率はわずか1.4%であり、韓国(91%)と比べて大きく差をつけられています。

 
教育分野

  • 学校におけるインターネット接続率は18位と、ブロードバンド先進国である日本がその他先進国と比べて大きく差をつけられています。
  • 校内LAN整備率は56.2%であり、韓国(100%)、米国(94%)と比べて大きく差をつけられています。
  • eラーニングの普及率は4.5%であり、韓国(52.0%)、中国(42.%)と比べて大きく差をつけられています。

 
行政サービス

  • 政府のICT利用と効率性の改善は57位、電子申請・電子調達等オンラインサービスの利用度合は40位となっており、行政分野のICT化も大きく差をつけられています。

 
その他、情報セキュリティ分野においてもやや遅れが見られますが、上記のように行政分野においてはその差が目立っています。

 
日本の進んでいる分野

一方、国際比較の中で日本が進んでいる分野は、地理的デバイドの克服で2位、電子商取引化率は11.7%であり、アメリカ(4.8%)2倍以上引き離しています。Sucica等のIC乗車券の導入状況も2914万枚と中国(4086万枚)には及ばないものの、韓国(2620万枚)やシンガポール(900万枚)を上回っています。

 

以上のようにICTの国際競争力において優れている点と劣っている点は顕著です。他の国と比べて差がついている分野、特に医療分野においては、医師不足が深刻な地域も出てきています。救急医療も崩壊の危機にさらされています。314日に、「遠隔医療の推進方策に関する懇談会」の開催が公表されたように、医療のICT活用は、医師不足やプロセス改善に向けて大きな役割を担うことが期待されています。

 
日本は、国際競争にさらされる中で成長力を強化していくために、ICT政策において「選択と集中」すべき時期にきていると言えるでしょう。


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