融合時代に備える
通信と放送の融合など、最近多くの融合というキーワードを耳にするようになりました。インターネットやIT技術の進化や社会環境の変化に伴い、今後様々な融合が進むことが予想されます。それぞれ“融合”というテーマで該当するキーワードをいくつか取り上げてみたいと思います。
通信と放送の融合
YoTubeやニコニコ動画の利用者の増加等、消費者からのボトムアップで、動画とソーシャルネットワークの融合は進んでいるように見受けられています。一方、通信と放送の融合においては、地上デジタル放送の同時再送信の実現にあたっての著作権の課題や情報通信法(仮)の整備など、技術的な課題はクリアしたとしても制度面の整理等で時間をかけて解決していかなければならない課題も多く抱えています。
人とコンピューターの融合
少子高齢化が進み、深刻な人材不足の時代が到来します。日本は、海外からの労働者を受け入れる制度の整備は緊急の課題となっています。そして、ロボットの技術開発が進み、介護や様々な分野での活用が進んでいくことでしょう。
1月28日の日経新聞の科学面(19面)において、米国マサチューセッチュ工科大学(MIT)のメディアラボラトリーの成果報告会が東京で開かれました。その中で、サイボーグ技術や心を読むコンピューターなどの成果が紹介されています。所長の冒頭の挨拶の中に、“力を生む源泉はネットワークからいヒトにシフトする”と述べられており、人とコンピューターの融合がさらに進むものと思われます。
ネットとリアルの融合
ネットの世界においては、セカンドライフに代表される仮想世界が、注目を浴びるようになってきました。現在、セカンドライフの登録者数がやや伸び悩んでいますが、インターフェイス技術やパソコンのスペック等が改善されることにより、仮想世界のビジネスは将来的には加速化することが予想されます。人は、ネットとリアルの世界で相互に使い分けながら、ネットとリアルの世界の融合が進んでいくのではないかと考えています。
グローバルとローカルの融合
最近、北海道や銀座等、中国人やオーストラリア人等の海外からの観光客が急増しています。日本の通貨価値が下がり、外国人が以前よりも安く日本の観光を楽しめるようになりました。今後は、海外からの外国人観光客をもてなしと、ホームページやブログ等を通じて海外に向けての情報発信をしつつ、観光誘致を推進し地域活性化に結びつけるといったような、グローバルと地域が融合する仕組みづくりを進めていくことが大切になってくるでしょう。
まとめ
以上のように“融合”というキーワードでまとめてみました。この他にも、テレビとパソコンの融合や、ゲームと教育の融合、野菜とビールの融合等の“融合”が進み様々な利用シーンが生まれてくることが予想されます。業界等が個々の領域を守る動きから、既存の枠組みを超えて、Win-Winの関係を構築しながら、融合が加速していく時代に備えた取り組みをしていくことが必要な時代になってきているのではないかと感じています。