Eee PCを学校のICT教育に活用する
台湾メーカASUSのゼロスピンドルA5モバイルノートPC「Eee PC
4G-X」が1月25日日本でもいよいよ発売されます。49,800円前後と低価格のモバイルノートPCは、新たな市場と利用ユーザを拡大していくことが予想されます。
では、新たな市場と利用ユーザとは何を意味するのでしょうか?
個人利用としては、2台目の端末として気軽に持ち運びできるモバイルノートPCとして利用することが予想されます。そして企業に普及するかは確証はありませんが、4Gバイトという容量を逆手にとり、シンクライアント端末やWeb会議の端末としての利用、そして企業向けの安価なモバイル利用にも活用されそうです。
その他の分野としては、やはり教育分野への活用が広まりそうではないかと考えています。
文部科学省は12月27日に平成20年度IT関連予算を発表しました。【学校教育分野の情報化】で2,517百万円予算を組んでいますが、情報化予算のうち半分以上の1,284百万円は、「公立・私立学校等におけるIT環境の整備」とし、教育用コンピュータやインターネット、校内LAN等の学校におけるIT環境を整備することとしています。
現在、一部を除き、校内LANも十分でない学校も多く、教職員の一人一台のパソコンは実現できていないのが現状です。授業においても、タブレットPCや電子ボード等によるICT教育を実践しているところもありますが、価格がネックで普及しているとは言いがたい状況です。
また、学校におけるパソコン教室も利用が進んでいますが、ICT教育をより実践していくためには、児童・生徒一人あたりのパソコン普及率を高めていくことが重要ではないかと考えられます。
今回の「Eee
PC 4G-X」の登場は、49,800円前後の価格帯と低価格で、教職員や児童・生徒のパソコン普及率も高まることが予想されます。さらに世界においては、「Eee PC」のLinux版が発売されています。教育分野ではLinux活用の動きも広まっており、日本にも上陸すれば2万円台(199ドル)で購入することができれば、さらに学校での利用が進むことが考えられます。
企業においては一人一台のパソコンは既に当たり前の時代になっていますが、Linux版の「Eee PC」が日本に上陸することになれば、教職員だけでなく児童・生徒一人あたり一台のパソコンを保有することも必ずしも不可能ではなくなるでしょう。児童・生徒一人一人が「Eee PC」を所有し、家でEee PC」を使って宿題をしたり、デジタル教科書として利用する時代が将来的には考えられなくはありません。
若い世代を中心にパソコンよりも携帯電話を利用してインターネットをする比率が高まってきています。そして、親の見えないところで携帯電話を使い学校裏サイトや出会い系サイト等にアクセスすることが問題となり、携帯事業者の未成年へのフィルタリングも義務化の動きです。
Linux版の「Eee PC」が日本に上陸すれば、携帯電話よりも場合によっては安くなるでしょう。学校に「Eee PC」等の低価格パソコンを普及させ、まず携帯電話よりもパソコンの利用率を高め、先生や親といっしょにパソコンに向かい合いながら、情報モラルを考え、ICT教育を実践していくことが、今の時代にとって大切ではないかと考えています。