“ボーナス”というキーワードから時代のトレンドを読む
12月になると、ボーナスシーズンでいよいよ年末商戦が本格化します。ボーナスの増減や消費動向は経済に大きな影響を与えると言えるでしょう。そこで、“ボーナス”というキーワードから時代のトレンドを少し整理してみたいと思います。
日本経済新聞社が18日に発表した2007年の冬のボーナス調査の中間発表によると、一人あたりの支給額は前年と比べて0.86%増となっており、5年連続プラスとなっています。
一方、個々の地域に目を向けてみるとボーナスの前年割れが目立っています。北海道中小企業家同友会がまとめた会員企業のボーナス支給予定調査によると、11年連続割れと北海道は非常に厳しい状況です。また、岩手県でも岩手研究所が発表した県内のボーナス調査によると、前年と比べて1.9%減少しています。
ボーナスだけを見ると、地域の所得格差が広がっているように見受けられます。
11月17日、楽天リサーチが、「冬のボーナス」に関するアンケート結果を発表しました。ボーナスの用途では、貯蓄が64.3%を占めており、2位の消費の53.7%を上回っています。そして購入予定の商品は衣類(41.4%)、旅行(35.7%)そしてデジタル・AV機器(33.1%)となっています。
さらに興味深いところは、購入予定先がインターネットの60.3%が上位で、大型量販店の51.9%を上回っています。商品の購入はクチコミを参考にする人が増えてきており、今後益々、ブログやSNS等に代表されるWeb2.0の力は高まっていくことが予想されます。
ブログから話題を知る便利なサイトのkizasi.jpで「ボーナス」というキーワードを入れてみると、昨年のピークは12月8日~12月14日が一番“ボーナス”のキーワード使うブロガーが多いことがわかりました。今年は、12月15日が土曜日だということを考えると、このあたりが年末商戦のピークになるのでしょう。
Yahoo! Japanのブログ評判検索で「ボーナス」というキーワードをいれてみると、11月23日の時点で、ポジティブな表現が44%でネガティブな表現が21%を占めています(その他の表現は35%)。ネガティブな表現を拾って見ると、“悪い”、“期待できない”、“無理”、“赤字”、“ダメ”、“減額”、“不安”という言葉が上位に並んでいます。
“ボーナス”というキーワードをいろんな角度から見てみましたが、やはり時代のトレンドが良くわかるキーワードであるということがわかりました。“ボーナス”という言葉から私になりに解釈すると“やや景気の伸びが鈍化している”、“地域の所得格差が広がっている”、将来に不安を感じているのか“貯蓄傾向が進んでいる”、そして“クチコミ等のインターネットの影響が高まっている”、“ボーナスは必ずしも喜んでいる人ばかりでない”等ということがわかりました。
ちなみに私のボーナスは家のローン等で消えてしまいそうです・・・。