企業の子ども戦略を考える
企業収益は5年連続増加する一方、人不足が深刻化してきています。団塊世代の定年退職や少子化が進み、企業が人を選んでいた時代から企業が新卒者や転職者から選別される時代になりつつあります。
人手不足が深刻化する時代において、企業は新卒者や転職者そして内定者の優秀な人材を時間とお金を費やして囲い込むことが重要になってきました。今後は優秀な学生だけでなく、生徒や児童等への積極的な間接的な囲い込みの低年齢化が進むことも考えられるのではないでしょうか?
その対象となる子どもたちの生活はどうでしょうか? 小学校の時からICT教育と言われるように、インターネットを普通に使える環境が整いつつあります。一方子どもたちの情報モラルも問題となり、学校裏サイトに代表される“ネットいじめ”も今深刻な問題となってきています。私自身はその要因の一つとして、子どもたちにとって有益でありかつ魅力的なコンテンツが少ないのではないかと考えています。
「日経パソコン」(10月8日号)は、国内の主要企業500社を対象に、Webサイトの有用度を比較する「企業サイトランキング 2007」を発表しました。今回の調査では、トップページに子供向けサイトへのリンクを用意している企業は、500社の中で約50社と全体の1割となっています(関連記事)。企業の子ども向けのサイトは年々増加傾向にあるようです。
以上のような現状を考えると、企業は企業収益のための優秀な人材確保、そしてCSR的な観点からも子どもたちへの支援とそして戦略を考えていく時代になってきているように感じています。今回の日経パソコンの調査で子供向けサイトをトップページからリンクしている比率はまだ1割と低い数値ですが、近い将来、企業が当たり前のように子ども向けサイトを自社のポータルサイトから積極的にPRしていく時代になっていくのかもしれません。