オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

家族のつながり、地域のつながり、職場のつながり

»

家族、地域そして職場のつながりが希薄になっていく。626日、政府は「つながりが築く豊かな国民生活」と題した2007年版の国民生活白書を提出しました。

 
国民生活白書(要旨)は、以下の言葉からはじまっています。
『家族、地域、職場のつながりのある人ほど、精神的やすらぎを得ることができる。したがって、どのようなつながりを持つかは、人々の生活ひいては人生に影響を及ぼすと考えられる。』と書かれています。

 
国民生活白書によると、経済的・社会的そしてIT環境も変化し、家族の中で過ごす時間が減少し、地域でも職場でも付き合いが少なくなってきています。政府は、この状況を懸念し、仕事と生活の調和「ワーク・ライフ・バランス」を推進すべきだと提言しています。

 
人とのつながりは増えている? 

一方、SNSの利用を見ると、mixiの会員数は1,000万人を超え、mixiの笠原社長は社会インフラとして、将来的には3,000万人の会員数を見込んでいるという状況です。一方職場でも社内SNSやイントラブログが普及しつつあり、家族SNSや地域SNSも普及の兆しを見せています。Web2.0に代表されるブログやSNSそしてはてなMap等でのマッシュアップにより共同でコンテンツをつくることも一般的になりつつあります。Twitterも一部の中では、話題となり、短い文章(つぶやき)で情報(感性)を共有しています。むしろ人とのつながりは以前よりも機会は多くなってきていると考えることもできるでしょう。

 
人のつながりが緩やかになる

mixiで多くのマイミクを登録し、中には1,000近くのマイミク(mixiの中のお友達)がいる人もいます。社内SNSや地域SNSでも同様に多くの仲間がいたりする人もいます。人は会ったこともない人とも気軽にメッセージの交換をし、仲間を増やしていきます。また仲間の中には年に1回会うか会わない人もいます。つまり、SNS上のつながりは、緩やかなつながりで、つながりたい時につながる緩やかな関係を構築しています。実際に地域や職場においても、国民生活白書によると人は緩やかなつながりを求める傾向が高まっています。

 
これから少子高齢化が進み、人口減少がすすみます。一方「多世帯社会」と呼ばれるように、単独世帯が増え世帯の総数はむしろ増えていく時代です。ブログやSNSによる緩やかにつながる世界が増えた一方で、身近な家族、地域そして職場と深いつながりをつくる時間が少なくなってきたという印象も正直否めません。

 
我々は、Web2.0時代の多くの人との緩いつながりと、家族や地域そして職場の深いつながりと2つのつながりをうまくバランスをとりながら行動していく必要がありそうです。国民生活白書の調査結果を見て、日本の将来がまた少し不安になってしまいましたが、日本のこれからの人と人につながりの多様性に期待していきたいと思っています。


Comment(0)