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大手企業の社員が実名でブログを書くことは

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オルタナブロガーの諸先輩方の「フリーランサーにとってのブログとは――オルタナブロガー栗原潔氏」、「なぜブログを始めたのか、その継続の秘密――ルタナブロガー伊藤靖氏」がITmedia エンタープライズの記事に書かれていました。ブログを書くことのメリットや継続することの秘訣等、大変興味深く読ませていただきました。

私自身、オルタナブログにブログを書いてから2ヶ月と短い期間ではありますが、大手企業の社員の立場でブログを書くことは、少々難しいというのを正直感じています。一方でメリットとして感じているところもありますので、一度ここで整理してみたいと思います。


会社のことは基本的に書けない
当たり前のことかもしれませんが、自分が担当している業務や、業務で知り得た情報のことは基本的に書かないように意識しています。やはり企業の機密情報やユーザ情報の漏洩リスクの恐れがあるので、細心の注意が必要です。


仕事には直接結びつきにくい
大手企業の社員の場合は、社員数も多いので与えられる仕事の業務やアカウントするユーザの範囲は限られています。また人事異動もあり、仕事の内容が180度変わることもよくあることなので、多くの社員はブログを使ってユーザ開拓をしたり、リレーションを維持することは、ややハードルが高いと考えています。


実名は出せても会社名は出せない(勇気がない)
実名を出すことは個人の自由で個人の責任の範囲で対応できますが、ブログに会社名を出すことはそれなりのプロセスを踏む必要があります。会社によっては会社名と実名を出してブログを書くことを推奨しているところもありますが、大手企業になればなるほど会社側の理解を得るのに時間がかかり、自身の勇気と決断が必要となります。


と、かなりネガティブなことを書きましたが、時代とともにその流れは少しずつ変化していくであろうと考えています。


大手企業は社員のブログ公開のルールを策定し、活用する時期にきている
大手企業において、今後社員のブログを積極的に活用する時期がくると考えています。

例えば、

・若手社員が日々の仕事内容をブログに書くことによって、就職活動の学生に親近感を沸かせ、会社の良さを伝える。

 開発部門やプロダクト部門が商品を提供していくにあたっての市場との対話ツールとして活用する。

 社長や経営者層が、会社の経営方針等を株主やユーザに伝えていくツールとして活用する。

等が考えられます。

 
各社では、ISMS等の情報セキュリティマネジメントに基づき社内のポリシーを策定しています。同様に社員のブログ公開ルールを策定し、市場と対話することによって、会社の経営やサービス開発に生かしていくというプロセスが必要になってくると考えています。またブログを書く社員に対しても市場への貢献度等を考慮した人事評価ルールを考えていく必要も出てくるかもしれません。


個人としてのメリットは大きい
会社との関わり方を中心に考えてきましたが、実名で書くことは、デメリットももちろんありますが、個人にとってそれなりのメリットが大きいのは確かです。ブログでアウトプットする機会を増やすことにより、より多くの知識が蓄積されました。また多くの方ともブログを通じて知り合いになることもでき、既存の知り合いの方ともより距離を縮めることができたと考えています。


最後に
大手企業の社員が、実名でかつ会社名を名乗ってブログを書く、ということが一般化するのはもう少し時間がかかると考えています。今の時期は、社員自らが判断し自らがルールを決めてブログを書くケースが多いと感じています。今後、大手企業の中からブログを使って会社に貢献しようとする「社員ブロガー」が多く出てくるのを少し期待してみてみたいと思います。

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