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ビジネス2.0の意味を3つの視点から考える

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「『ビジネス2.0』の視点」というタイトルでブログを書いてから約2ヶ月近くたちました。ここでビジネス2.0というキーワードの意味を私なりに一度整理したいと思います。

 

ビジネス2.0の3つの視点
私はビジネス2.0を考える上で、大きく分けて3つの視点で考えています。ビジネスマン(ウーマン)の視点、ビジネスユーザの社内の視点そしてビジネスユーザの社外の視点です。

 

1.ビジネスマン(ウーマン)の視点
○ビジネスマインド

以前ある企業の社内会議で「社員1.0」と「社員2.0」の違いについて議論になりました。この発想に非常に近く、仕事を前向きに考え、社外に向けてのコミュニケーションを自らがデザインし、自分そしてチームや会社のために貢献しようとするマインドを持つことが重要であると考えています。

○仕事術
「SNS的仕事術」や「Web2.0的仕事術」という本がよく売れています。この本の中には先ほど述べたマインド面のほかWeb2.0を使っての仕事の効率化についても書かれています。効率化のためには、現状の社内の情報共有システムだけでは十分な情報は得られません。世の中の流れに常にアンテナを高くし、web2.0の技術と発想で情報収集、検索、加工そして体系化するプロセスを繰り返し、適切な情報のアウトプットができる能力をつけることが重要であると考えています。このような能力は、Web2.0時代のリテラシーの考え方でもあり、今後は何らかの評価軸をつくっていく必要性も出てくるかもしれません。

○現場からのボトムアップ
会社が基礎体力をつけていくためには、現場からのボトムアップが必要不可欠です。コンシューマの世界では、CGM(Consumer Generated Media)と言われているように消費者がメディアに大きな影響を与え、会社側はCGMをマーケティング等に活用しています。企業においても同様に社員の現場からの声を、経営者側が拾いあげるプロセスが重要であると考えています。

 

2.ビジネスユーザの社内の視点
○情報共有システム

Web2.0というコンシューマの技術を会社の情報共有システムに活用しようという動きがはじまっています。Web2.0を活用した社内の情報共有システムの例としては、社内SNS、イントラブログ、ビジネスwiki、エンタープライズ・サーチ、エンタープライズ・ブックマーク等があげられます。Web2.0の技術と発想を企業にとりいれることにより、企業内の情報共有がより簡単で双方向性の高いコミュニケーションツールになるものと考えています。

○横断的な組織と環境設計
企業が大きくなればなるほど、組織が縦割りになり、隣の部署が実際に何をしているかよく把握できない状況になることが多々あります。この場合は情報共有システムだけでなく、案件に応じて柔軟にプロジェクトをつくれる体制づくりや、レイアウトをフリーにして社員が自由に席を移動し、議論のできる環境をつくっておくことが重要であると考えています。Web2.0の発想で言うと、マッシュアップを自由にできる職場環境づくりというイメージになります。

 

3.ビジネスユーザの社外の視点
○(クチコミ)マーケティング

日産自動車などが代表的な事例で、「クチコミマーケティング」という言葉がかなりはやりました。自社の商品を効率的に販売していくために、ブログなどを利用して消費者の力を借りながら効率的に展開していくという考え方です。また、ブログの投稿数やポジティブかネガティブな内容を書いていることも一目で確認できるため、ユーザ動向の把握等にも役立つでしょう。

○プロバイダー(提供者)として
企業がWeb2.0の技術と発想を使って経営に反映していくためには、コンサルタントやシステムインテグレーター等が成功に導くための構築運用ノウハウや最適解のテクノロジーやサービスを提供することが大前提となります。技術の流れがあまりにも速く、今後も提供者側はベータ版を常に提供し続けるかもしれません。

○地域の繁栄
Web2.0を使って地域が反映することも重要です。例えば地域SNSによって地域コミュニケーションの活性化や町おこしの取り組みも考えられます。また、学校がWeb2.0を活用し、学校や保護者との情報共有や学力向上のための補助ツールにもなるかもしれません。地震や災害そして不審者情報の共有等の危機管理対策にも役立つでしょう。

○グローバル化
グローバル規模に展開するSNSは主に趣味等を中心としたヒューマンコミュニケーションツールでしたが、これからはグローバル規模でのビジネスコミュニケーションツールになっていく可能性も考えられます。例えば今は日本国内のみの社内SNSの利用がグローバル規模に社内SNSを利用する企業もいずれ出てくるでしょう。異文化のビジネスコミュニケーションは趣味等のやわらかい情報からはじめることによって企業を成功に導く可能性は高まるものと考えています。

 
最後に
ビジネス2.0の考え方についてポイントを整理しました。今回はメリットを中心に書きましたが、“情報漏えい”や“イントラブログの炎上”そして“間違った情報(うわさ)の独り歩き”等の企業にとってのリスクも十分に考えられます。

ビジネス2.0というキーワードが、果たして企業やビジネスマンにとってメリットのあるものなのか、私が整理した定義が適切なものであるのか、しばらくは様々な視点でその意味を掘り下げていきたいと考えています。 

 

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