永井孝尚のMM21:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 永井孝尚のMM21

マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2009年12月1日

2009年12月2日の投稿

2009年12月3日 »

先週、IT部門の管理職の方々とのセミナーで、ますます進化していくソフトウェアが、どのように社会を変えていくのか、といった内容の講演を行いました。

講演後の昼食でお客様数名と懇談した際に、「ここ数年間のソフトウェアの進化と、それが世の中や企業を進化させていること、日本のIT活用に課題があることはよく理解できた。しかし、現在の業務や課題に対して、ソフトウェアをどのように適用すればよいのか、きっかけが掴めない」というお話しを伺いました。

 

確かに、企業向けソフトウェアは日々進化する一方で、業務で解決すべき課題はますます複雑多岐になっています。

業務毎に「あるべき姿」を考え、
現状とのギャップを把握し、
そのギャップを生んでいる課題を特定し、
その課題を生んでいる根本的な原因を究明した上で、
「あるべき姿」を実現するためにITでどのように実装するかを検討する、

というアプローチで取り組んでいる場合も多いと思います。

しかし、この方法による検討は時間がとてもかかります。

また、このアウトプットを元にITの実装を考えても、その要望にピッタリとあてはまるソフトウェアやソリューションがなかなか見つからず、結局、自前開発でさらに時間とコストがかかってしまう、ということになりかねません。

(なお、この場合のコストは、単に開発コストだけではなく、保守・将来の業務連携用の修正費用などの将来のコストも考える必要があります。システムが十分にドキュメンテーションされていない状況で担当者が転職したりすると、最悪、システムは一切手を付けられなくなり、塩漬けになるリスクもあります。目に見えないコストが莫大にかかる可能性があるのです)

 

ここで、考え方を変えてみるのもよいのではないでしょうか?

 

まず、あるべき姿、現状、ギャップ、解決すべき課題は、今まで同様把握します。

一方で、このような検討を通じて挙げられた課題を、全てでないにしても、かなりの部分を解決出来る企業向けソフトウェアは、既に世の中にどんどん出てきています。

そこで、そのような企業向けソフトウェアの活用を前提に、把握している課題がどのように解決され、あるべき姿を実現できるのかを考えていく方法です。(自社開発は最小限に留めます)

言い換えると、ITの活用方法を、帰納的方法(個別課題積み上げ→解決策探索)から、演繹的方法(解決策定義→個別課題解決の検証)に変えていく発想です。

メリットとしては短時間で(かつ多くの場合、最終的には低コストで)解決策を展開できることが挙げられます。

デメリットとしては必ずしも全ての問題を丁寧に解決できないことが挙げられます。特に現場が強い日本では、現場のニーズへの対応が最優先に考えられてきました。

しかし、世の中の変化が非常に速くなった現代、この方法は現実的な解をスピーディに提供してくれる可能性大です。このメリットを享受するためには、時間とコストをかけて現場最適を究めずに、既存のソフトウェアをいかに使いこなすかという逆に発想で、ITの実装を考えていくことも、検討の余地があるのではないでしょうか?

 

海外企業と比較すると、日本の企業ITシステムの多くは自前開発です。

以前は、業務毎に個別最適化して差別化していたため、このことは強みでした。

しかし世の中の変化が激しくなった現代、個別業務毎のIT最適化は、逆に変更柔軟性欠如、コスト高、業務間連携欠如、等の弱みを生じています。これによって、日本企業の競争力を弱めている面も多いのです。

高付加価値のソフトウェアを活用することで、日本企業が再び強さを取り戻す可能性も高いと思います。

そしてそのためには、IT実装の優先順位の考え方を変えていく必要も、あるのではないかと思います。

 

http://twitter.com/takahisanagai

nagai

« 2009年12月1日

2009年12月2日の投稿

2009年12月3日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
mm21
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ