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企業でソフトウェアのメリットを十二分に享受するためには、IT実装の考え方を変える必要があるかもしれない

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先週、IT部門の管理職の方々とのセミナーで、ますます進化していくソフトウェアが、どのように社会を変えていくのか、といった内容の講演を行いました。

講演後の昼食でお客様数名と懇談した際に、「ここ数年間のソフトウェアの進化と、それが世の中や企業を進化させていること、日本のIT活用に課題があることはよく理解できた。しかし、現在の業務や課題に対して、ソフトウェアをどのように適用すればよいのか、きっかけが掴めない」というお話しを伺いました。

 

確かに、企業向けソフトウェアは日々進化する一方で、業務で解決すべき課題はますます複雑多岐になっています。

業務毎に「あるべき姿」を考え、
現状とのギャップを把握し、
そのギャップを生んでいる課題を特定し、
その課題を生んでいる根本的な原因を究明した上で、
「あるべき姿」を実現するためにITでどのように実装するかを検討する、

というアプローチで取り組んでいる場合も多いと思います。

しかし、この方法による検討は時間がとてもかかります。

また、このアウトプットを元にITの実装を考えても、その要望にピッタリとあてはまるソフトウェアやソリューションがなかなか見つからず、結局、自前開発でさらに時間とコストがかかってしまう、ということになりかねません。

(なお、この場合のコストは、単に開発コストだけではなく、保守・将来の業務連携用の修正費用などの将来のコストも考える必要があります。システムが十分にドキュメンテーションされていない状況で担当者が転職したりすると、最悪、システムは一切手を付けられなくなり、塩漬けになるリスクもあります。目に見えないコストが莫大にかかる可能性があるのです)

 

ここで、考え方を変えてみるのもよいのではないでしょうか?

 

まず、あるべき姿、現状、ギャップ、解決すべき課題は、今まで同様把握します。

一方で、このような検討を通じて挙げられた課題を、全てでないにしても、かなりの部分を解決出来る企業向けソフトウェアは、既に世の中にどんどん出てきています。

そこで、そのような企業向けソフトウェアの活用を前提に、把握している課題がどのように解決され、あるべき姿を実現できるのかを考えていく方法です。(自社開発は最小限に留めます)

言い換えると、ITの活用方法を、帰納的方法(個別課題積み上げ→解決策探索)から、演繹的方法(解決策定義→個別課題解決の検証)に変えていく発想です。

メリットとしては短時間で(かつ多くの場合、最終的には低コストで)解決策を展開できることが挙げられます。

デメリットとしては必ずしも全ての問題を丁寧に解決できないことが挙げられます。特に現場が強い日本では、現場のニーズへの対応が最優先に考えられてきました。

しかし、世の中の変化が非常に速くなった現代、この方法は現実的な解をスピーディに提供してくれる可能性大です。このメリットを享受するためには、時間とコストをかけて現場最適を究めずに、既存のソフトウェアをいかに使いこなすかという逆に発想で、ITの実装を考えていくことも、検討の余地があるのではないでしょうか?

 

海外企業と比較すると、日本の企業ITシステムの多くは自前開発です。

以前は、業務毎に個別最適化して差別化していたため、このことは強みでした。

しかし世の中の変化が激しくなった現代、個別業務毎のIT最適化は、逆に変更柔軟性欠如、コスト高、業務間連携欠如、等の弱みを生じています。これによって、日本企業の競争力を弱めている面も多いのです。

高付加価値のソフトウェアを活用することで、日本企業が再び強さを取り戻す可能性も高いと思います。

そしてそのためには、IT実装の優先順位の考え方を変えていく必要も、あるのではないかと思います。

 

http://twitter.com/takahisanagai

Comment(3)

コメント

ヨシムラさん

>しかし世の中の変化が激しくなった現代、個別業務毎のIT最適化は、逆に変更柔軟性欠如、コスト高、業務間連携欠如、等の弱みを生じています。これによって、日本企業の競争力を弱めている面も多いのです。

ココ興味ありますねー。定性的な分析値を示せたら働きやすいのに。と、ゆーのは、

>メリットとしては短時間で(かつ多くの場合、最終的には低コストで)解決策を展開できることが挙げられます。

のトコロです。コレって付加価値では無くて本来価値として評価可能なのではないかと考えているのです。短時間/低コストで効果的な解決策を見い出すコトが必要とされるシステムって、ビジネス・ロジックが法律の改正などによって強制的に変わらざるを得ない業種に限ったハナシなのではないかと。自前で流通の仕組みを構築していて、それをシステム管理しているよーなトコロだと、このアプローチって難しいよーな気がしました。

ヨシムラさん、
 
>>ココ興味ありますねー。定性的な分析値を示せたら働きやすいのに。
 
既にヨシムラさんはご覧になっておられるかもしれませんが、定性的・定量的な分析は、情報通信白書や総務省の各種ICT系調査レポートに結構いい情報が掲載されています。
またガートナー・ジャパンもこの辺りを詳しく分析しています。

ヨシムラさん

ガートナーはアカウント喪失してしまったので最近見ていません。経産省カンケイの白書なんかは1回/3ヶ月くらいのペースで見ています。

先に書きましたが、今ワシが取り組んでいるのは、法改正などによって既存のビジネス・モデルを変更せざるを得なくなる可能性のある業種において、如何に変更に対する柔軟性を確保しつつ、トータルコストを下げる為に、オペレーターの能力を引き下げる=システムで面倒見るか?

と、ゆートコロです。流石にベンダーが大っぴらに、

「このシステム入れたら、社員の半分が派遣さんに置き換えられますよー、あ、派遣さんも更に半分に出来ますよー」

とは言えませんが、最近はソレをユーザー企業さんから露骨に言われるコトがあります。アンタらは去年の派遣村モンダイを知らないのか?とか一瞬思いますが、自分が派遣村に行かないためにはまぁアレですw

あるべき論は企業の永遠のテーマだと思いますが、そーゆー縛りの無い、ユルーイところからスタートしたと思われる、GoogleやAmazonの発想って、ソレはソレでムーブメントになっているのだともまた思います。

Google MapsのAPIを提供したら便利だ

Googleの中のヒトがどれだけ深刻に考えたのかは知りませんが、提供したコトで便利になったのです。でも彼らは使い方を想定していなかった、またはもっと小さな範囲での使い方しか想定してなかったのだと思うのです。

引き合いにGoogleを出しましたが、大手のベンダーさんにはソコまで含めて啓蒙活動して欲しいです。

ベンダーさんがこー言ってた
 ↓
ユーザさんそう思いこむ
 ↓
下請けは言うがママ
 ↓
ユーザさん思ってたのと違う
 ↓
スンゴイ怒られる

このスパイラルを断ち切れるのって、最初のヒト達しか居ません。反対に言うと、ユーザ企業さんが、実用しようと思った時にイライラするトコロって、誰が埋めてあげられるのか?とゆーコトでもあります。


大手さんの発言って重いですよー。

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