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世の中がフラット化していき、グローバルが進展していくと、グローバルとローカルの兼ね合いをどのように付けていくか、という課題が出てきます。
私は外資系の会社に勤務していますので、多くの場合はグローバルの大方針や戦略は本社主導で決められ、それをいかにローカルの現実に合わせて実施するか、ということを考える立場にあります。もちろんグローバルで何も決めていないことも多いので、そのような場合はグローバルの動向との整合性を配慮しつつ、ローカルで戦略を立てます。
一方で、日本企業も、こちらで書きましたように、最近では今まで海外では通用しないと言われていた小売業でもグローバル展開を行っている事例が出てきました。
要求水準が非常に高い日本市場に応えるために作った仕組みは、世界で通用するのでしょうね。
海外で「クール・ジャパン」が流行っているのも、このようなところに理由があるように思います。
しかし一方で、例えばコンビニの場合、日本でのおでんのダシは日本人好み用になっていますし、中国のおでんは中国人好み(しかも地域特性を考慮)になっています。
つまり、「日本人の好み」が世界で通用する、ということではないわけで、「仕組み」と「好み」をちゃんと分けて考える必要がある、ということだと思います。
言い換えると、
- 仕組み(仮説検証の手法や、ビジネス管理手法)はグローバルで考え、
- 地域特性等の好みはローカルに合わせる
...ことが必要なのではないかと思います。
外資系に勤務する立場では、割とグローバル化の洗礼を受ける立場にありますが、グローバルの立場で考えて仕組みを作り、お客様や市場に対してはローカルに考えて必要であればグローバルに対応できるようにすることが必要なのではないかと思います。
特に、「仕組み」と「好み」の違いを意識することは極めて重要だと思います。
本来ローカルに合わせるべき好みをグローバルで各地に展開したり、本来グローバルで考えるべき仕組みをローカルのみで最適化して作ったりしないようにしたいですね。
関連リンク: 「"メード・イン・ジャパン" 米国流⇒日本流⇒世界流」
昨日(1/13)の日本経済新聞に、元仏大統領特別顧問ジャック・アタリ氏のインタビューが掲載されています。
グローバル化について、市場経済と民主主義の二つの観点で論じている非常に骨太な内容で、読み応えがあります。以下、特に興味深かった部分を引用します。
---(以上、引用)---
「公正さの低下は市場経済のせいではない。民主主義が弱すぎるのだ。これをはき違えると、富の偏在の主犯は市場主義となり、社会が分裂し、反動が出かねない。十八世紀以降、社会が行き詰まると民主主義が全体主義に、市場経済が保護主義に乗っ取られ、大きな戦火を引き起こした。いまも、市場経済は行き過ぎだと主張し、保護主義を掲げる勢力が出てきている。これは繰り返されてきた誤りだ」
―グローバル化の強みを引き出すにはどうすればいいのですか。
「民主主義を懸命に支え、もり立て、市場経済と競合できる対等な関係を保つことだ。ふたつを不可分に結びつければ、グローバル化は世界にとって脅威ではなく、福音となる。.....」
---(以上、引用)---
「格差社会を生んだ主犯は市場経済。だから市場経済は悪なのだ」という主張は、最近よく世の中に見られます。アタリ氏は、このような主張に反論しています。
確かに成果主義的な市場経済は、富を生むのに長けたモノにはより多くの富を、そうでないものにはより少ない富をもたらします。しかし、民主主義は、このような富を再配分する機能があり、格差社会が生まれたのは民主主義が弱いからだ、という主張です。
私は市場経済、民主主義、グローバル化をこのような観点で関連させて考えたことはなかったので、非常に新鮮でした。
実際、市場経済だけを声高に批判し、本来徹底的に議論すべき民主主義の議論をおざなりにしている識者も多いように思います。
ちなみに、アタリ氏は、音楽論から資本主義論まで評論の幅は広く、交響楽団の指揮をしたこともあるそうです。
日本の経済の発展を支えた経済人にも、書をたしなんだりしていた方が多かったと聞きます。
このような深い精神性が、物事への深い洞察を生むということなのでしょうか?
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