« 2009年11月24日

2009年11月26日の投稿

2009年11月30日 »

 本日は夕方から渋谷で行われた「サイボウズ スペシャルイベント」に参加してきた。
 イベントの前半はアワードの発表などだったが後半で新サービス「サイボウズLive」の発表と紹介があった。サイボウズLiveの概略については既にニュースとして『「サイボウズLive」をセカンドグループウェアに――無料Webサービスで新機軸』や『サイボウズ、個人向け無料グループウェア「サイボウズLive」を発表』が流れているのでここでは割愛するが、個人的にはかなり期待できる注目のサービスだと思っている。

 サイボウズLiveのコンセプトは「セカンドグループウェア」となっている。プロモーションビデオや説明では会社で同僚と繋がる(ファースト)グループウェアでは対応できない家庭や社外や趣味で繋がった人とスケジュールやアドレス帳、ドキュメントなどを共有する使い方が説明された。ちなみに提供形態はSaaSモデルで、サイボウズLiveのユーザは全て同じプラットフォーム上でセキュアに区切られたグループ内で情報共有を行う仕組みだ。

 だがしかしこのサイボウズLiveが一般に公開されたときに、家庭や同窓会といった繋がりでの情報共有に活用する人は少ないのではないかというのが私の直感的な感想だ。むしろ社外の人との共同プロジェクトでのスケジュール管理やプロジェクト運営、あるいは最近流行の勉強会などの仕事の周辺分野でのコラボレーションツールとして活用するイメージのほうがイメージしやすい。そう、日本でいまだに根付かないビジネスSNS分野でこそ、サイボウズLiveは輝くのではないかという予感だ。

 人材流動性が低い日本でも特定のビジネス領域では、フリーの人や小規模事業者が一定の割合を占めるし、彼らの参加なくしては進まないプロジェクトは多い。従来そうしたプロジェクトでの連絡や文書ファイルのやり取りはメールでやることが多かったが、もしサイボウズLiveがビジネスマンの間で一般的になれば「じゃ次回のスケジュールはサイボウズLiveで」「ドキュメントは共有フォルダに上げとくから」ということになるわけだ。
 そしてLiveの名に恥じぬようにサイボウズLive内にはそうしたビジネスキーパーソンの人脈情報が集積されるのだから、運営側としてはプラットフォームは無償で提供してもその人脈DBを使っての派生ビジネス(帝国データバンクやゼンリン的ビジネスモデル)で十分にペイできる可能性がある。

 もちろんこうしたソーシャルグラフを収集・独占しようというビジネスモデルには、既にGoogleやFaceBook、Microsoft、Mixiなども目をつけ着手済みで、サイボウズはここへ殴りこみをかけるわけだが、サイボウズLiveの画面は、サイボウズらしく日本的で見やすいし得意の日本人が大好きなスケジュールインターフェースをもってすれば確かに日本ではデファクトスタンダードの座を勝ちとる可能性は十分にある。

 もちろん最終的に覇権を得るにはもっともっと機能拡張や努力が必要だろう。まずは日本の場合は大半が大企業に所属しているビジネスキーパーソンをどうやってひっぱり出して参加させるかというのがひとつ。シンク機能で会社内のサイボウズOfficeとデータ連携できるというが、会社内での会議のタイトルや相手先をネットに出されてはたまらない、企業の管理者がシンク機能を許可するかどうかは大きなハードルだし、例え許可されてもゲートウェイで時間帯以外には墨を塗って「BUSY」表示とするような配慮も必要だ。
 勉強会コミュニティなどに活用してもらうのではあれば「出欠」の投票や確認みたいな機能(例:ATND)がないと駄目だろうし、せっかくのソーシャルグラフを生かすためには、今までに無いような人探しや人紹介の便利な支援機能の考案も必要だ。場合によってはドキュメントの暗号化とか複製制御なんてのも求められるかも知れない。
 さらには広く定着するまでには相当のユーザを獲得する必要があり、それにはかなりの時間が必要だが、それまで無料提供というビジネスモデルが維持できるかも気になる。ユーザが増えると増大する改善要求にちゃんと答えられるのか、そもそもここまで発表していて一般公開が来年春とかなり遅いもはどうか、いまどきのユーザは3ヶ月もすると話題を忘れるぞw

 まぁいずれにしても今後についてはもう少し注目して見守りたい。イベントに参加したので私もお試し用のIDをいただいたし。
 2009年の最後になってやっとちょっとワクワクできる新サービスがでてきたのは確かで2010年は楽しみだ。

===過去の関連エントリー

yoi

« 2009年11月24日

2009年11月26日の投稿

2009年11月30日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

詳しいプロフィール

カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
knowledge
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ