エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

サイボウズLive発表

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 本日は夕方から渋谷で行われた「サイボウズ スペシャルイベント」に参加してきた。
 イベントの前半はアワードの発表などだったが後半で新サービス「サイボウズLive」の発表と紹介があった。サイボウズLiveの概略については既にニュースとして『「サイボウズLive」をセカンドグループウェアに――無料Webサービスで新機軸』や『サイボウズ、個人向け無料グループウェア「サイボウズLive」を発表』が流れているのでここでは割愛するが、個人的にはかなり期待できる注目のサービスだと思っている。

 サイボウズLiveのコンセプトは「セカンドグループウェア」となっている。プロモーションビデオや説明では会社で同僚と繋がる(ファースト)グループウェアでは対応できない家庭や社外や趣味で繋がった人とスケジュールやアドレス帳、ドキュメントなどを共有する使い方が説明された。ちなみに提供形態はSaaSモデルで、サイボウズLiveのユーザは全て同じプラットフォーム上でセキュアに区切られたグループ内で情報共有を行う仕組みだ。

 だがしかしこのサイボウズLiveが一般に公開されたときに、家庭や同窓会といった繋がりでの情報共有に活用する人は少ないのではないかというのが私の直感的な感想だ。むしろ社外の人との共同プロジェクトでのスケジュール管理やプロジェクト運営、あるいは最近流行の勉強会などの仕事の周辺分野でのコラボレーションツールとして活用するイメージのほうがイメージしやすい。そう、日本でいまだに根付かないビジネスSNS分野でこそ、サイボウズLiveは輝くのではないかという予感だ。

 人材流動性が低い日本でも特定のビジネス領域では、フリーの人や小規模事業者が一定の割合を占めるし、彼らの参加なくしては進まないプロジェクトは多い。従来そうしたプロジェクトでの連絡や文書ファイルのやり取りはメールでやることが多かったが、もしサイボウズLiveがビジネスマンの間で一般的になれば「じゃ次回のスケジュールはサイボウズLiveで」「ドキュメントは共有フォルダに上げとくから」ということになるわけだ。
 そしてLiveの名に恥じぬようにサイボウズLive内にはそうしたビジネスキーパーソンの人脈情報が集積されるのだから、運営側としてはプラットフォームは無償で提供してもその人脈DBを使っての派生ビジネス(帝国データバンクやゼンリン的ビジネスモデル)で十分にペイできる可能性がある。

 もちろんこうしたソーシャルグラフを収集・独占しようというビジネスモデルには、既にGoogleやFaceBook、Microsoft、Mixiなども目をつけ着手済みで、サイボウズはここへ殴りこみをかけるわけだが、サイボウズLiveの画面は、サイボウズらしく日本的で見やすいし得意の日本人が大好きなスケジュールインターフェースをもってすれば確かに日本ではデファクトスタンダードの座を勝ちとる可能性は十分にある。

 もちろん最終的に覇権を得るにはもっともっと機能拡張や努力が必要だろう。まずは日本の場合は大半が大企業に所属しているビジネスキーパーソンをどうやってひっぱり出して参加させるかというのがひとつ。シンク機能で会社内のサイボウズOfficeとデータ連携できるというが、会社内での会議のタイトルや相手先をネットに出されてはたまらない、企業の管理者がシンク機能を許可するかどうかは大きなハードルだし、例え許可されてもゲートウェイで時間帯以外には墨を塗って「BUSY」表示とするような配慮も必要だ。
 勉強会コミュニティなどに活用してもらうのではあれば「出欠」の投票や確認みたいな機能(例:ATND)がないと駄目だろうし、せっかくのソーシャルグラフを生かすためには、今までに無いような人探しや人紹介の便利な支援機能の考案も必要だ。場合によってはドキュメントの暗号化とか複製制御なんてのも求められるかも知れない。
 さらには広く定着するまでには相当のユーザを獲得する必要があり、それにはかなりの時間が必要だが、それまで無料提供というビジネスモデルが維持できるかも気になる。ユーザが増えると増大する改善要求にちゃんと答えられるのか、そもそもここまで発表していて一般公開が来年春とかなり遅いもはどうか、いまどきのユーザは3ヶ月もすると話題を忘れるぞw

 まぁいずれにしても今後についてはもう少し注目して見守りたい。イベントに参加したので私もお試し用のIDをいただいたし。
 2009年の最後になってやっとちょっとワクワクできる新サービスがでてきたのは確かで2010年は楽しみだ。

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