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 以前にも何度か取り上げたことがあるが日経ITproの調査・統計データベースというコーナーでは、日経マーケット・アクセスが企業情報システムの担当者宛にに行ったアンケート調査の結果が毎月報告されている。この企画は2年間も続いており、その時々に注目される各種のITキーワードに関する企業情報システムの担当者の意識がわかるので重宝している。

 しかしさすがに2年間も企画を続けていて苦しくなったのか、今回(2008年10月)の調査はこの企画が始まった最初に調査したITキーワードを再度調査して2年間での変化を見るという内容だった。これはこれで非常に面白いし役にたちそうだ。こうしたITキーワードの認知度や利用状況の調査はこれまでもいろんな調査期間が単発で行っているが、定期的に同じキーワードに関する推移を追った調査は少なかったからだ。

 さてその2年ぶりに調査したキーワードは「日本版SOX法」と「Web2.0」「モバイルセントレックス」である。この中で特に私の専門となる「Web2.0」についてちょっと分析してみたい。以下に日経マーケット・アクセスの記事を元に別のグラフにしたものを掲載する。

20081127_2

 記事にもあるが、Web2.0の認知度は「聞いたことがある」までを含めると95%まで上昇しほぼ全員が知ったと思って良いところまできている。利用状況についても「一部での試行」までを含めた経験者が2年前の15%から18%へと上昇している。その反面業務への影響度については、「深い関わりがある」という回答も「将来関係するかもしれない」も減少して「関係ない」が大きく割合を伸ばしている。
 もう少し細かくみると利用状況の設問で「一部の部門や業務での試行段階」がかなり減っていることもわかる。これはその分が「一部の部門や業務で導入」へ昇格したと見れば2年前にWeb2.0の企業情報システムでの利用を検討模索していた企業はおおむね試行を終えて正式導入に移行したということになる。
 2年前よりも業務に関係ないという回答者が増え、全体の4分の3が「利用計画は具体化していない」と回答したことは大半の担当者がWeb2.0関連の動きや技術について分析や調査を行い、社内での転用もいったんは議論・検討したうえで今の企業情報システムでは使えない/使わないと判断した(しつつある)と見るべきではないか。

 これはWeb2.0関係技術の企業利用の具体的成功事例が2年経っても、ビジネスブログや社内SNS程度しか出てきていないことが大きく影響していると思う。より集合知活用的なイントラSBMや仮想市場での事例はまだ増えてこないし、将来的にはSOAと融合して企業情報システムでも本流となると目されるエンタープライズマッシュアップについても未だにGoogleマップと連携したものくらいしかお目にかかれない。リッチインターフェースを活用した動画によるナレッジ共有システムや仮想世界での体験型eラーニングなどはWeb2.0とは違うものとして取り上げられてしまうことがある。

 我々コンサルタントやSIer、ベンダーからもっともっと具体的な企業内での活用法を提示していかないと、企業情報システムの担当者がWeb2.0というキーワードに早々に見切りをつけてしまい相手にしてくれなくなりそうだ。

yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

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