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 仕事柄情報システム部門(以下情シス)所属の人と良く話をするのだが、最近とみに思うのが自社の社内システムのことをよく知らない情シスの人が増えているなぁということ。ちなみにここで言うシステムというのはITを使った情報処理システムのことではなくもっと広義の会社の中の人の動きだとか手順だとか仕組みだとかそういった大きなシステムのことである。

 インターネットが発達して特にIT系では膨大なニュースが簡単に見れるようになり最新の技術動向を簡単に追える。ベンダーのホームページにいけばパッケージの情報も簡単に手に入る。なんでもググればある程度のことはわかるようになった。だから最近の情シスの人にはIT業界の事には結構詳しい人は多い。
 でも逆に自分の会社の儲けの源泉というか自分以外の他の現業部門の社員が日々どんな動きをしているのかを説明できない情シスの人が増えた(気がする)。情シスって通常の会社の中では若干特殊な部門なので異動も少なく場合によっては入社して最初の配属以来ずっと情シスなんてケースも多いことも影響しているかもしれない。

 情シスの人が最新の技術を勉強したり新しい言語を取得したり、あるいは特定の製品の深い中身まで精通することは悪いことではない。そういう知識がないとベンダー側の良いように発注させられたり、彼らの言い値で仕事を出すことになりかねないから。でもそれと共にやっぱり自社の(広義の)システムについては知っておいたほうが良いと思うのだ。

 例えば会社は何かを売って利益を得ているわけだが、その買ってくれそうな顧客ををどうやって見つけて注文を取り付け商品を納入して代金を回収するまでどんな手続きや手順があるのかくらいは情シスの人からスラスラと説明して欲しい。なにかを買う際にどこからそれを探してきてどのような比較や検討をして決定をして最終的にどうやってお金を払うのかというのもそうだ。でも、情シスに来る前の部門だとか担当の仕事は話せてもそれ以外のはさっぱりだとか、システムの機能は話せてもその周辺で人がやっている作業の事は全然説明できないという人のほうが多い。
 どうしてそのような流れ(システム)になっているのかとか、そうした標準プロセスに対して代表的なよく起きる例外処理は何で、それはどういう仕掛で対応されているかとかまで押さえている人はさらに少ない。そして同業他社ではどんなシステム(仕組み)でやっていてそれと自社はどう違っているかとか、一般に言われている自社製品やサービスの差別化要素はそのシステムのどのポイントによって生み出されているかとかそういう事に自分なりの考えを持っている人になると本当に希だ。

 情シスの仕事は情報処理システムの維持管理で中身はユーザ部門の管轄だという話もある。例えそういう分担でも、PCやネットワークの基盤系の管理やその上で動くようなファイルサーバやグループウェアといった情報系の仕組みは情シスの担当だろう。それらの維持管理や再構築の際には、先ほどのような皆がどのように業務を進めているかといった全体の知識は不可欠だと思う。それを押さえていないから、例えば最近の情シスの管轄として重要な情報セキュリティポリシーの適用時に、現場が顧客や取引先とどのように仕事を進め情報を交換しているかを配慮しないセキュリティシステムを構築・運用してしまい結果して本質的にはまったく機能しないなんて事が起きてしまう。
 情報化投資予算を立てるときにどの案件を優先するかという優先順位の判断だって、今の(広義の)システムを知らないと間違えてしまいそうだ。

 ではこういう話を誰に聞けばよいかと言うと、手っ取り早いのは会社の同期だろう。同期と飲んだときに各部門での仕事の進め方を聞き出しておく。学校の同窓生でも良い。友人と飲みに行ったときに、他の会社では出張の手続きから旅費の精算までをどうやっているのか聞いてみるはどうか。受発注の仕組みとか、社内で何かを決めるための協議書(稟議書)を決裁して貰うときのしきたりの違いを比べてみるときっと面白いと思う。
 こうした話の中で、改善ポイントを見つけたり真似や応用できる部分を見つけたりするのは楽しい。大きな企業になると各現業部門でやり方が違ったりする。それを見比べるだけでも楽しいし、その中で聞いた他の部門でのちょっと良い工夫を話を聞いた同期に還元してあげれば絶対に喜ばれると思う。

 プログラム言語や最新の開発技術を勉強するのも良いが、開発や運用を全部自社でやっているならともかく外部に出しているのならそこで外部のSEと勝負するよりは、ユーザ企業にいることを生かしてノウハウを収集してはどうか。もし将来転職するにしても、中途半端な技術よりはニッチでもその会社や業界にしかない業務知識を得ておいたほうがウリになると私は思う。転職を考えなくても社内での異動などを考えれば、会社の仕組み、特に今まで知らなかった他の部門の仕事のやり方を覚えておくことは将来絶対に役に立つ。

 IT系の勉強会に出るのもよいが社内の他部署の同期と話したり他社の情シスと自社のシステムの紹介し合いなどをしてみてはどうだろう。どんな最新技術やパッケージや製品があるかを知るのも良いけど、世の中に(広義の)システムとしてどんなやり方や仕掛けがあるかも知って欲しい。

 そういえば最近情シスオフというのが開催されたらしい。その結果というか感想がブログなどにも流れていたと思うけど、最近よくあるITの個別要素技術の勉強会ではなく、業務や業務プロセスと言った広義のシステムの事をお互いに紹介しあったり勉強するような場が増えると良いと思うのだけども。

yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

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