« 2008年10月31日

2008年11月4日の投稿

2008年11月5日 »

 雑誌「Think!」の今月号の特集が「気づき」だった。気づきという言葉はナレッジマネジメント分野やコンサルティング業界では良く使われる言葉で、新しいことの発見・発明や問題解決の為のブレイクスルーには不可欠なものだと言われている。似たような言葉に「思いつき」もあるが、一般に「思いつき」は刹那的な印象を与えるために否定的な意味で使われるのに対して「気づき」はたいてい肯定的な場面で使われることが多い。
 まあ個人的には、この両者に対した違いはなく、外部から得た情報や教えて貰った学びが自分の頭の中で整理されて内面から自分の言葉で再出力されたものが「思いつき」であり「気づき」だと思っている。「思いつき」も「気づき」も生まれた瞬間にそのままにしておいてはダメで、メモを残すなり人に話すなりして熟成させて自分自身でももっと腑に落ちるように磨き上げたりしないと本当の価値創出にはつながらないだろう。そういう時のツールとして紙のメモや携帯電話の音声メモそしてミニブログなどはとても有効だ。

 さて「Think!」の今号ではこうした「気づき」を生み出すための手法や気づきやすくなるためのトレーニング方法などがいろいろな人から語られている。コンサルタントを目指したり問題解決に興味がある人、そういう業界を目指している学生さんにはお薦めだ。「Think!」は雑誌のくせに1800円と高額なので個人で買うならアタリの号だけにしても良いと思う)
 一応あえて若い人向けに注意点を補足しておくと、こうした雑誌で読んだ内容の全部を試したり身につけようとしないことだ。発想法や思考法は個人の資質や性格などに左右されることが多いし絶対的なただひとつのやり方というのも存在しない。まずは自分に合いそうなものだけをいくつか試してその中で一番ぴったりくるものを意識的に繰り返し使うようにした方が良いと思う。

 今号で私が共感したのがK.I.T.虎ノ門大学院の三谷宏治主任教授の記事。「気づき」を得るためのJAH法という手法を提唱されている。JAH法とは軸、値、巾の頭文字を取った略称のようだが、なにかを分析するときにまず軸(視点や分類)を定めてその次にそれに当てはまる値と巾を見ていくというものだ。
 こうやって文章で書くとわかりにくいが、例えば2つの軸を使って値と巾をみていくと結果としては古典的な4象限マップやマトリクス表が出来上がる。このマップや表を作る過程でどういう軸を選ぶとか象限を分ける決め手は何なのかとか象限同士の間には何があるのかとか、値を変えて象限を遷移させるにはどうすれば良いかとかいろんな事を考えていると確かに「気づき」は生まれやすい。

 私が作る資料にも良く4象限マップを使うので、知らず知らずにJAH法的思考を繰り返しているシーンは結構多いのだろう。しばらく改めてJAH法と名付けて軸値巾を強く意識して考えるようにしてみよう。新しい何かに気づけるかもしれない。

yoi

« 2008年10月31日

2008年11月4日の投稿

2008年11月5日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

詳しいプロフィール

カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
knowledge
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ