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 検索エンジンにおける検索結果の表示順を決めるランキングロジックといえばGooglePageRankが有名だが、これはあまりにも有名になり過ぎて、既に一世代前の技術という印象だ。このところさらに良いランキングロジックを探すといういろいろな試みの報道が増えてきているのにはそういう背景があるのだろう。実際にGoogle自身もランキングロジックについては弛まない改良を行っているようで、この記事によると毎週平均9つほどの改良点を試しているとのことである。
 

 さてインターネットにおけるランキングロジックについては、このようにいろいろな研究が進んでいるが、こと組織内となると情報の重要度や注目度を測る良いランキングロジックというのは未だに見つかっていない。 

 組織内でのランキングと言えば、今はほとんどがアクセスログを使ったアクセス回数ランキングである。組織に所属している人がよく見ている外部のニュースのランキングや、社内の通達やマニュアルのアクセスランキング、FAQの利用回数ランキングなどが社内のポータルや掲示板に掲載されている企業は多い。

 ところがこの組織内でのアクセス回数ランキング、単純にログを集計するだけではダメなことが判ってきた。例えばマニュアルのアクセス回数を数えると実は皆が知っている非常に有名なマニュアルが上位を独占してしまう事がよく起きる。通達もそうだ。通達も基本は対象となる全社員が読む事が前提なので、アクセス回数ランキングを単純に作成すると、全社員向けなどの対象範囲の広いものかつ当日とか昨日の直近に出されたものが上位になってきてしまう。社外のニュースのランキングに至っては(単純集計すると)多くの会社でスポーツ(サッカーや野球のニュース)や芸能が上位に上がり、いかに社員が業務に関係のあるニュースを視ていないかが「見える化」されて経営層激怒という笑えない状況に陥ったりすることもある。

  したがって組織内でこうした単純なアクセス回数集計をランキングに活用しようとすると、いくつかの工夫が必要だ。最近我々が手がけたある案件では、これらについていくつかの工夫を行った。

 一つは、単なるアクセスログの収集をするのではなく、その前に情報の配信と流通の仕組みの見直しを行ったことである。具体的には、企業情報ポータルの整備と表示内容のパーソナライズ化によってまずは膨大な情報から必要な情報だけが社員に届くようにし、次にエンタープライズサーチによって個別情報への到達コストを下げた。先に述べた失敗例の一つめにある、皆が既に知っているマニュアルが常にアクセス数上位を独占するというのは、逆に言うとそれ以外のマニュアルがアクセスしづらい場所にあって埋もれているのではないかという仮説を経ての対処だ。

 二つ目は、ランキングをドキュメントの種類毎に細分化した事。受注業務でのランキング、支払業務でのランキング、労務関係のランキングといったように、活用シーン毎によく使われる文書を「見える化」したほうが使い易い。情報の価値は利用シーンで異なるはずで、それはすなわち今やっている業務で重要な文書を知らせる事だと考えたからである。そもそも組織においては社員各自の業務範囲はある程度限定されていて、自分の担当外の文書はいくら使い出があってもその人には価値が低くなるのは当然だ。

 全社員向け通達や新しい通達がより上位にランキングインする事については、ランキングの集計期間を長めにすることで配慮した。これについては、そもそも当週に発信された通達はランキング対象外にするという思い切ったアプローチもありそうだ。

 社外ニュースの問題については、フィルタリングソフトの設定の見直しを行った上で社会的なニュースはランキング対象外にした。どうやら社外ニュースについては能動的に情報収集を行っている層と暇つぶしに眺めている層があるようで、単純なアクセス数を根拠にしてはダメでクリックといった具体的な行動を意識的させる必要がありそうだということも判ってきた。これについては今後、社内ソーシャルブックマークサービスの採用などを検討する必要があるという結論になっている。

 そして実はこの企画が最初に立ち上がった時には、社員の属性毎にランキングを集計することを考えていた。開発部門の社員が良くみるニュースであるとか営業所長が頻繁に読む通達というようなランキングを作る予定だったのである。大きな組織では、基本的に同じ立場で同じ業務をやっている人が複数の拠点に同時に存在して同じ作業を行う事が多い。この同じ立場の人が重要視している情報を可視化するのが効果的だと考えたのだ。残念ながら社員マスター上の属性情報が不足していたために、今回はこのアイデアは採用できなかったがいつか使ってみたいと思っている。

yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

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