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今年の最初に注目すべきキーワードとしてUGC(User Generated Contents)を挙げたが、実際に今の日本ではこれまでに無いスピードでUGCが増殖していると感じている。UGC自体は以前からあったと思うのだが、ブログやホームページなどと言った文字情報主体から急速にリッチメディア化していると思うのだ。
例えばつい先日ニコニコ動画の「アイドルマスター」タグが2万件を超えたそうだ。そして「初音ミク」タグもじきに(今年度中?)には2万件を超えると言われている。日々いろいろなクリエイターから様々なジャンルの作品が投稿されるニコニコ動画にあっても2つはちょっと特別である。ニコニコ動画には「歌ってみた」「演奏してみた」などといったカテゴリタグがあるが、前述のこの2つのタグは特定の作品群を示すものである。そう、ある一つのテーマの作品だけで既に万の単位で作品が投稿されるようになっているのである。
これらの作品の勢いはとどまるところを知らず、既に初音ミクの作品はカラオケで配信されたり一部はCDが売り出されたりしているし、アイマスMADについては著名な作者(以下P=プロデューサーの略)が自らDJを努めるイベントが行われ大勢のファンが集ったりといった現象が起きている。
こうした動きは日本だけのものではなく、海外でも同じような動きが起きているらしい。フリーのシンガーソングライターが作った「digg Song」と呼ばれる曲がDiggで話題を集めて、作者のKina Grannis(通称“Diggガール”)にはレコード会社から契約の話が舞い込だりしているようだ。
その中で今私が特に最近注目してのは、アイマスMADの振り付けを逆に人間が踊ってみたというものが散見されるようになったことである。私が確認した限りでいくつもの作品について「踊ってみた」ものがあがっている。特にランキングの常連として有名になった某作品は多くの演者によって繰り返し踊られている。
一応ここでアイマスMADというものを簡単に説明しておくと、アイドルマスターというアイドル育成ゲームに登場するアイドルの歌唱シーン(ダンス)の映像を、他の楽曲にあわせて再編集したものをアイマスMADと呼ぶ。もちろんゲーム上の動画の再編集や楽曲の使用には著作権の問題が絡むので、MAD自体は法的にはかなり問題があると言われているが、例えば先日バンダイナムコゲームスの偉い人が「ネットで流行っているのを知っている」というような発言をしたり(注2)、一部のオリジナル楽曲の権利者からは、ショートバージョンならばという限定付きながら利用が許可されたりとこのところの外部環境は変化している。
さて話を元に戻すがもともとアイドルや芸人の振り付けや仕草を真似するというのは、結構一般的に行われてきたことである。その昔ピンクレディの振り付けを小学生が真似て歌ったり最近でもモーニング娘の振り付けを真似る子供がいたり、小学生が「そんなのかんけいねー」とか「ラララ、ライ。ラララ、ライ~」とやるのなんてものが代表的なものだ。
こうした真似の対象が芸能人や有名人ではなく、アイマスMADのような2次創作まで対象が広がって来たということは興味深いしもしかして刮目して見るべき現象ではないかと思っている。実は初音ミクの場合はもっと早い段階で同じような動きが出ている。8月末に初音ミクが発売されてしばらくして直ぐに、初音ミクのために曲を書いて歌わせるというブームが起きたが、このブームの中で初音ミクの為に作曲された曲を逆に人間が「歌ってみた」というのが直ぐに現れた(注1)そして年末には「メルト」という初音ミク用に作曲されたオリジナルソングを多数の人が「歌ってみた」という祭りも起きたりしている。
これらを、ニコニコ動画という閉じられた場の中でのいつものネタをしゃぶり尽くす単なる内輪受けな盛り上がりと見るのか、UGCが急速に魅力を増した結果と見るのかは人によって見解が違うだろう。
しかし私は後者のほうの見方を取って、もうしばらくこういった現象の観察を続けてみたいと思っている。だいたいそもそも、初音ミクにしろアイドルマスターの天海春香にしろ人の手によって創り出された虚像である。
その虚像がソフトやゲームになって人を魅せつける。←昔はココで終わり
魅せつけられた人はさらに自分なりの新しい解釈を加えて新しい曲やMADを備えたバーチャルアイドル(これもUGC)を創る。
そしてそのバーチャルアイドルに魅せられた人がその真似をする←今ココ
だとすると次はどうなるのか?ワクワクして仕方がない。
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