« 2007年11月3日

2007年11月5日の投稿

2007年11月6日 »

 きょこ コーリングの「ブロガーの効果」で紹介されていた「有力ブロガーだけに情報を提供しても口コミ効果は生まれない」という記事を読んだ。結論としては別に違和感はないし納得できる。ただ以下の一節が気になった。

しかし、皆さんが期待されているような、爆発的に数多くのブログの内容に連鎖的で同時多発的にその製品が紹介されるようなバズ、バイラルと言われる現象は、よほど画期的な製品でもない限り、残念ながらあまり見たことはありません。

 藤田さんの指摘にもあるように、ブログマーケティングを使ってブームを起こすのは多分無理だと思う。ターゲットとする商品にもよるが、それがもしマス向け場合の場合はこのコラムの最後にあるようにマスコミを使ったほうが有効なのはほぼ間違いない。でも未だに、ブログを使えば一大ムーブメントが簡単に起こせると思っている人は多いようだ。

 以前からブログマーケティング(CGMを使ったマーケティング)に対して思っていることに、ブログ(CGM)マーケティングは、消費者の購買行動のプロセスモデルの中の最初であるAttentionに適用しても効果は余りないだろうということ。ブログ(CGM)マーケティングは、AISASでいうなら真ん中のS(Search)、AISCEASでいうならS(Search)およびC(Comparison)とE(Examination)のフェーズでこそ真価を発揮すると思う。
 
 実際日本のCGMで有名なサイトの一つ「価格.com」でのユーザの書き込みなんて明らかにC(Comparison)のフェーズで使われているし、私もブログなどの書き込みを捜すのは「何がはやっているか?」ではなく「その何かについての詳しい情報」を捜すときだ。

 既にブロゴスフィアは相当に大きくなり、ブロガーが取り上げる話題は多岐にわたりそれが日々膨大な量で流れていく。だから全体でみれば数名の有名ブロガーに取り上げられてもその割合はたかが知れた程度にしかならない。ひとつのアルファブロガーに絞ってみても、彼らは、ある日は新しいソフトウェアの紹介、次の日は新しいがジェットの感想、その翌日はブログ界全般に関する論評など、語るテーマをどんどん変えていく。そして読み手側も既にこうした状態に慣れてきており、自分に興味のない分野の記事はどんどん読み飛ばしていく癖がついている。
 
 だからAttentionのフェーズで効果を狙うなら、ブログより物量にものを言わせたマスメディア広告のほうが効果が高いと私も考える。

 例外はニッチ市場向けの製品で、購入する消費者がある程度限られるケースだろう。ブロゴスフィアが拡大したおかげで今やどんなニッチ市場でもインフルエンサーとなるブロガーがいる。そしてニッチになればなるほどそこにいる消費者は新しい情報に餓えており、情報を入手するためにこうしたインフルエンサーのブログをRSSリーダーなどで細かくチェックしている。
 だから、ターゲットがある程度明確なニッチ市場の向けの製品をこうしたインフルエンサーを使って宣伝したり、初期段階でブロガーからのフィードバックを得て改良するというのであれば、ブログ(CGM)マーケティングはかなり成功率が高いのではないか。

yoi

« 2007年11月3日

2007年11月5日の投稿

2007年11月6日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

詳しいプロフィール

カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
knowledge
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ