« 2007年3月7日

2007年3月9日の投稿

2007年3月11日 »

 先日立ち寄った本屋ふと手に取った日経ソフトウェアの特集が「WebAPIプログラミング」だった。で、なんとなくそれに惹かれた私は結局その場でかなりその記事を読み込んでしまった。その日の帰宅後に、この記事の著者の一人である松岡さんの「WebAPI とオレってばスゲー感 2.0」を読んで納得感とともに、最近YahooPipeなどの紹介をみていてずっと私がおぼろげに感じていたモノがなんかわかってきたような気がした。

 WebAPIを使うとパーツの組合せ的な作業だけで凄いアプリケーションが出来あがることなんだと。いまさらなにを言うのかという人も多いかもしれない。ちょっと失礼な言い方を承知で書くと、最近のマッシュアップでできたアプリの出来映えはスゲー!と思わせるものばかりだが、あれ後ろの仕組みってWebAPIのおかげで結構単純なんだという言うことに改めて気づいたわけだ。既に技術者としては古くてカビの生えてきたような私でも改めてWebAPIを勉強しなおしてなんか作ってみようかなんて気になってくる。

 実のところこういった印象は初めての経験ではない。その昔にVBが開発ツールとして全盛の時代にも、OCXパーツなんかを組み合わせてちょっとした画面を簡単に作れるようになったのを見て、スゲー!と思ったことがある。それまでCOBOLでオンラインシステムを組んでいた私にとってはあれは画期的な出来事だった。

 だから今回のWebAPIも急に出てきた流れというわけではなく、ソフトウェア業界における、「プログラミングに関する高度なスキルが無くてもアプリケーションが簡単に出来る」「(部品となる)モジュールの再活用で開発作業を革新する」ようにしていこうという流れの一環なのだと思う。ソフトウェア産業が真のエンジニアリング産業に脱皮していこうとしている証拠だと捉えている。

 機械の分野にはエンジニアリングという分野があって、これはある目的に最も適った機能を実現するために人的資源やソフトまで含めた仕掛け全体を実現するために行う一連の活動を指すことになっている。例えばこの前の深夜のニュースでは、魚をコンベアに乗せると自動的に開いて骨を全部とる機械を紹介していたが、こんな機械を各種の刃モノとかローラーといったパーツを組み合わせていって考えていくことがエンジニアリングだ。あるページには

 エンジニアリングとは、「物」と「物」との組み合わせによって生まれる機能を追及するソフト技術

だとも定義してある。で何が言いたいかというと、WebAPIによって我々ソフトウェア産業も今度こそ、そこまで来たのではないかと。だって機械の世界のエンジニアリングでは、ボトルやネジから設計することはほとんどないのに、我々は今までいつもソースの1行から作ってきていた。そろそろここからは解放されても良いはずだ。

 さて、当然こうした動きを助成するためにはWebAPIを提供するサービスの数がもっともっと増える必要があるだろう。それは、このところWebAPI開発コンテストが連発して開催されていることにも繋がっていそうだ。

 リクルートサン・マイクロシステムズは、17の協力企業や団体と協力して開発者向けのマッシュアップコンテスト「Mash up Award 2nd」を開催している。エントリー期間は来週の3月12日までである。

 ヤフーもYahoo! JAPANが提供するAPIを活用したWebコンテンツ・アプリケーションのコンテスト「Yahoo! JAPAN WEB APIコンテスト」を開催しており、こちらは4月30日までだ。

 コンテストがにぎわって面白いマッシュアップアプリケーションが沢山発表されて、それを機会にまた新しいサービスベンダーがWebAPIを公開するようになってという風な好循環が生まれると良いなと思う。

yoi

« 2007年3月7日

2007年3月9日の投稿

2007年3月11日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

詳しいプロフィール

カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
knowledge
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ