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昨日の続きで、エンプティポータルが増える理由について。

 最近、いきなり製品選定から始めるというプロジェクトによく出くわすようになった。これはもしかすると最近の情報システム部門における全般的傾向なのかもしれないが、なぜか企業情報ポータル構築プロジェクトの場合に特に多い。何を作るかを合意する前に製品やベンダーを決めてしまう事は、一般的にあまり良いやり方とはいえない。

 しかも、企業情報ポータル関連のプロジェクトの場合、その製品候補にまったくコンセプトの違う製品を並列に並べたりしていることも多いのである。私としては目を覆いたくなる瞬間である。

 企業情報ポータルを共通的なシステム基盤として構築するためのソフトウェアであるIBMのWebSphere PortalやBEAのAquaLogic User Interactionといった2製品とチームコラボレーションのためのチームポータルを提供するMicrosoftのSharePoint Serverはコンセプトもターゲットも異なる。それを理解してから比較評価を行って欲しいと節に願う。まあしかし、この3つが選択肢の場合はまだ許せる。全社インフォメーションポータルとチームワークプレイスは若干被る部分もあるからだ。

 驚くのは、WebSphere PortalやAquaLogic User Interactionとサイボウズのガルーン2やドリーム・アーツのINSUITE Enterprise、ネオジャパンのdesknet'sまでごちゃ混ぜで一緒に比較している時だ。こうなると私には何を作りたいのかさっぱりわからなくなる。これらの製品はあくまでポータル型グループウェア(Web型グループウェア)であって、コンテンツアグリゲーションの実現やプレゼンテーション層でSOAを実現するようなことは難しい。こういったポータル型グループウェアを選択するケースは、構築したいポータルが「社員の日々の業務支援を行うためのパーソナルワークプレイス」を構築する場合である。
 
 実際にある公益法人では、当初は全社の情報共有基盤としてのポータルを構築するという企画でRFPを発行したものの、入札内容をあまり吟味せずに一番安価だったポータル型グループウェアを使った提案を採択。その結果出来上がったのは、全社掲示板をウェブ上に作っただけという貧相なポータルであった。当初の狙いはどこへやらという感じであるし、当初のBigPictureにあわせた予算と出来上がったもののバランスはどうなのか、はたから見ていて首を傾げたくなる。

 他のエンプティポータルが増える理由としては、ポータル構築プロジェクトの上流工程に長けた人間がこの業界に少ないこともありそうだ。我々はポータル構築プロジェクトの上流工程を既に何度もこなして来たが、その中で関連ベンダーやSIerとも付き合ってみて、日本のベンダーにポータル構築に関して詳しい人は非常に少ないということが判った(かつて某大ベンダーがポータルの専門家ですといって連れてきた関連会社のコンサルタントが、ポータルはおろかウェブ系の開発についてど素人であることが後でわかって、あいた口がふさがらなくしまったことすらある)
 手前味噌で恐縮だが、こと企業情報ポータルの上流工程に関して言うと我々(みずほ情報総研)以外には1~2名の名前しか思い浮かばない。こうした詳しい人間ならば、昨日書いたような目的の明確化などの際にも先行事例などを使ってきちんとフォローが行えるし、製品の特徴なども判っているので今日の最初の部分のようなところにもアドバイスが出せる。

 何度もくどい様だが、作るシステムのゴールに応じて必要な専門家もかわる。だから先に製品やベンダーを決めてしまって、単純にその製品担当のSEをアサインして、その後作るモノのゴール像を決める。というやり方では、製品がアンマッチになるだけでなく担当者もアンマッチになり、ひどいことになってしまう。
(続く、かもしれない)

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yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

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