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 またしてもイントラブログや社内SNSに関する調査結果が発表されている。「社内ブログに期待感-情報共有・コミュニケーションの意識・実態調査から」というこの調査では「現在社内の情報共有やコミュニケーションがうまくいっているか」という設問に肯定的だったのは3割に留まっている。今年始めのGooリサーチの調査結果の同じ質問での肯定的回答は2割。実は2002年に日経デジタル・エンジニアリング「Digital Engineering News」が読者アンケートで行ったという調査も手元にあるのだが、このときも「ノウハウの伝承ができている」という回答は45%であった。ようはあまり変わっていないのである。
 しかし最近こうしたアンケート結果を読むたびに、この聞き方でアンケートを行う限り、いつもの時代でも同じような回答傾向になってしまうのではないかと思い始めた。だいたい「社内の情報共有やコミュニケーションがうまくいっている状態」というもの自体が曖昧だ。だから回答者もなんとなく「できてないなぁ」と答えてしまうのではないのだろうか?

 この調査では次の設問で共有したい情報の種類を聞いている。この設問はナレッジマネジメントを実施する上ではポイントとなる重要な問いであるはずなのだが、例によって「ノウハウ」という曖昧な選択肢を提示したため、これが第1位になってしまっている。そしてこの結果、社内ブログの活用方法で期待するものという一番最後の設問の回答が「ノウハウを共有するナレッジブログ」という選択肢へ誘導されてしまっている。

 残念ながら私にはこの「ノウハウを共有するナレッジブログ」というもののイメージが良くわからない。各社員が日々業務のなかで「これが俺の顧客への電話ノウハウだ」とか「あ、今私が接客したやり方はナレッジだわ」なんて気づいてそれをブログに日記形式で書くとでもいうのだろうか?
 もしそうやって日常的に各個人がノウハウやナレッジに気づける状態ならば、ブログという回りくどい形式を取る必要はなく、定期的にノウハウ報告会議を開催しそこでノウハウを発表させてそれを文書化したり、ナレッジヒアリングキャラバンという形式で専門部隊が社員にインタビューを行いそれを取りまとめた記事を作る方法のほうが効率的だと思う。

 以前にも書いたが今のイントラブログの最良の使い方は、個人の為の備忘録として手軽に気づきを時系列的に書き留めていくことである。ようはタバコ部屋のような雑談ブログで良いのである。この件については、ENIGMA VARIATIONSの「イントラブログにおける記事クオリティのアップ」という記事の中に、

 個人的には質のアップにはまず量が必要という考えが自分にはある。継続的な量の蓄積が、質を作るのだ。そういった意味では、質を上げるためには、一方でそれに数倍する「クオリティの低い」記事の量産も容認する必要がある。
 100のアイデアの内、使えるアイデアが1つか2つであるとするなら、どんなアイデアであっても100出さなければ1は生まれないのだ。1の使えるアイデアだけのエントリを求めていたら、恐らくいつまでたっても良いアイデアは生まれてこない。

という一節がある。同感である。

 実際に過去の組織の中での動きもそうだったのではないか?タバコ部屋での雑談や飲み屋でのくだらない会話の中にほんの時たまダイヤの原石が混じっていて、それをたまたまタイミングよく誰かが拾って磨くと、それが会社に何かを起こしたのではないか?同じモデルで考えれば良いと思うのだ。
 違うのはブログやSNSならば後半の拾い上げる人の数とタイミングの面の許容度がタバコ部屋に比べて格段に有利になるということ。イントラブログや社内SNSで雑談やプライベートの日記を禁止する必要はない。もしあなたの会社が社内で私語を一切禁止しているのならば、話は別だが。

yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

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