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2006年7月4日 » |
前回のデスマーチのエントリーにはいろいろな方のコメントやトラックバックを頂いた。総論としてはわれわれの所属するSI業界がまだまだ未成熟だという指摘とSIerだけではなくユーザの責任も大きいというトーンが多かったが、中にはトラブルが起きるまでは、エースを隠すというようなコメントもあった。
私が社会人1年目の時に、会社にあった雑誌で読んだコラムに中国での故事が紹介されていた。
「曲突徙薪無恩沢 焦頭爛額為上客耶」
これは、かまどの火が勢いよく燃えさかっているのを見て、親切心から「危ないので薪をかまどから離しておいた方が良い」と注意した旅人は煙たがられ、その後その指摘通り火事が起こってしまった時に、頭を焦がしながら(焦頭爛額)懸命に消火活動をした旅人には多大な感謝ともてなしがあったという故事であるが、筆者はSEは、“焦頭爛額”ではなく“曲突徙薪”であるべきと強く述べられていた。
当時純粋な新入社員であった私はこの記事を読んで素直に“曲突徙薪”(事前に指摘をして危険を予防をする)できる人になろうと思ったものだ。そしてできれば“曲突徙薪”で評価を受けたいとも。
エースを火消し部隊として火事が起きるまでは投入しないというのは、まさに”焦頭爛額”ではないか。そういう火消し部隊はその会社では高い評価も受けているのだろう。デスマーチとなってからの消火活動よりもデスマーチを起こさないための“曲突徙薪”のほうへより力を入れるのが本来の姿であろう。SI業界の成熟にあわせてこのような感心できない業界の慣行は今後改められるものだと信じたい。
#ただ何年か組織人をやってきてわかったことだが、本当の心配ではなく単なるやっかみや保身のために、とにもかくにも“曲突徙薪”しておき、あとで言い訳に使う輩もいるということも知った。これまた嘆かわしいことである。¥
今の私の職業は、コンサルタントという事前に予測やアドバイスをする立場である。改めて新人の頃を思い出し、適時に的確にわかりやすく“曲突徙薪”できるコンサルティングを行っているかの確認に心がけたい。作業の効率化だけに着目して「薪をかまどに近づけて置きなさい」というような誤ったアドバイスをしないように。
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