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2006年6月7日の投稿

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 昨今持ち株会社制への移行を行なう企業が増えている。これはちょっと前の子会社設立による多角化やアウトソーシングブームとあわせて、企業での仕事のやり方や業務の進め方の変化の大きな要因のひとつとなっている。
 
 しかしこのように組織を分割して階層を増やしたり組織間の境界をより明確にしていくことは、情報共有の面からはどういう影響があるのだろうか?たとえ持ち株会社制をとってもグループ全体では目指すべき同じ目標に向かって一緒にミッションを遂行していくことには変わらないのだから、持ち株会社制が会社間やそこにいる社員の間でコミュニケーション面にあたえる影響については充分に考慮する必要がある。
 
 NTTレゾナント株式会社と株式会社三菱総合研究所がこの度共同で発表した「持株会社グループ社員の意識」に関する調査結果をみたところ、今のところ持ち株会社制をとった企業でもコミュニケーション面での悪影響は限定的なものらしい。
 
 このアンケートの結果では、「持ち株会社と傘下会社間におけるコミュニケーション」「事業会社間のコミュニケーション」の両方とも、全体の約7割の人がある程度上手くいっていると評価している。私の経験では単一の組織(会社)の中でも会社の経営方針の浸透度は7割~8割となることが多く、異なる事業部門とのコミュニケーションの場合は6割程度の数値になる。これと照らし合わせてもこのアンケートの数値は特に高いとも低いとも言えず、ここから持ち株会社制自体がコミュニケーション面に与える影響は限定的であることが推測される。
 
 但し、アンケート内の経営方針が伝わらない理由やコミュニケーションの阻害要因に注目をすると若干様相が異なるようである。事業会社間でのコミュニケーションの阻害要因では、「充分なコミュニケーションをとる手段がない」という理由が第2位である。これは単一の組織(会社)の場合には「コミュニケーションをとる価値を感じない」がトップになり「ツール・手段が無い」というのは最下位になるケースが多いことと大きく違う。この理由としては、同一グループといえども事業会社間での情報共有には法律上いくつかの制約が発生するケースがあることが影響を与えていると推測している。

 さらに、経営方針が伝わらない理由の第1位がなんと「上司には話が来ているのかも知れないが上司から明確な説明がない」というものになっている。これも私の経験だが、こういった項目での阻害要因の上位は通常「経営層が伝えることを重視していない」となることが多い。しかしこのアンケートでの矛先は、持ち株会社のトップよりもより自分に近い上司に向かっている。
 アンケートの最後にあるようにこの問題を解決するためには、グループ全体の情報にアクセスできるエクストラネットを構築し、その場を使って持ち株会社の経営層から事業会社の末端社員へダイレクトに情報を伝達する仕組みを構築するのが、現時点では最も手軽で効果のある解決方法であろう。

yoi

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吉川 日出行

吉川 日出行

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