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 午後の会議中に、高校生の娘の携帯から次のようなメールが届いた。私と妻があて先になっていた。

「最近、ケンカが多いお父さんとお母さんへ

 いろいろ、大人にしかわからない事情~ってものがあるんだと思うけど、子供の前でケンカしないで欲しいわけで。 特にケントなんか、まだ小さいから、すごくく気をつかってるだろうし、かわいそうだよ。二人ともガンコだしね。

 お母さんはもっとお父さんを大切にしたほうがいいと思う。、、、」

 昨晩、”どちらが子供の美容室代を払うか”という、つまらないことがきっかけで妻と喧嘩になったのだが、娘はその事がきになっているらしい。娘のメールは続く。

「だから、いろいろ考えたんだけど、大学は公立へ行きたいと思います。ああやって、お金のことで喧嘩しているのを聞いてると、私立に行きたいなんて言いたくないし、それに、やっぱり最初から行きたいと思ったところに行きたいんだよね。浪人してもいいかと思うわけよ。 プライドもあるしね、、、」

 会議中だが、お母さんとは仲直りする、進学の件は週末に喫茶店で話しようと短くメールで返した。

 しばらくすると小学校4年生の息子から届いた。息子は学校から帰ってきてから迷惑メール対策をフルに設定したYahooメールを利用している。

「おとうさん サッカーボールのくうき入れてください。ポケモンフェスタがあるからつれていってください。きのうは楽しかったです。ありがとう。」

 平日は息子が起きている間に帰られないことが多いこともあるが、会えたとしても帰宅したときに妻や子供達から言われると、私が面倒くさがることを気遣って、頼みごとはメールで送ってくる。

 いつものようにサッカークラブから帰ってきた後、自分が連れて行ってほしいところを子供向けポータルサイト探してポケモンのイベントの件を連絡してきたようだ。前半は妻から言われて書いたものだろう。

 息子とほぼ、同時に今度は妻からメールが届いた。

「スズメがバルコニーの手すりにとまらないように釣り糸を張ったんだけど、釣り糸の両側をとめたガムテープにスズメが貼り付いちゃって、暴れていたと思ったら、釣り糸に足が絡まって、すずめがガムテープくっつたまま、ぶら下がってバタバタしているのよ~!怖いから早く帰ってきて救助して~!これじゃあ、私、舌切り雀の意地悪ばあさんよ~」

と返信が来た。 喧嘩の翌日なので「君は生まれつき意地悪ばあさんだよ」と返信しようかと思ったが、ベランダの手すりにぶら下がっていバタバタしているすずめの姿と、それをカーテンの隙間から呆然と見ている妻の姿が浮かび、思いとどまる。 妻は、娘が夫婦喧嘩を気にして送ったメールを読んで、すずめの件を話題にして仲直りしようとしているんだと察した。

 そして、妻との喧嘩は、私が明日の朝、元気に「おはよう」と言えば収まるし、週末に妻と二人で喫茶店に行ってお金の件を話し合い、娘と二人で進学のことについてちゃんと話せば良い。

<メールだから言えることがある>

 メールというのは、家族のコミュニケーションの潤滑油として重要な役割を果たす。

 もし、私が家にいて、実際に顔をあわせていたとしたらどうなるだろう。

 妻はそっけなく「サッカーボールに空気入れといてね」と言い、私は「はい、後でやっとくよ」と返す。そして、しばらくしたら「早く空気入れときなよ。明日なんだからね」「あとでやるってばー」「あ、スズメが引っかかってる。あっちも何とかしといてね」「はいはい、後でね」「今やって、今」「もーうるさいなー」となるだろう。その場に娘がいたとしても、「もうケンカやめてよ!」と感情的に言うか、何もいわずに部屋にいってしまう可能性が高い。

 これが、電話だったとしても、うまくいかない。手紙という手もあるが、メールほど気楽にかけない。 電車の中や仕事や遊びのちょっとした合間に書くことができないからだ。

 家族のように日頃から近い関係だからこそ、本当に困ったときや、素直な意見はメールの方が書きやすいのである。 メールは、本当の気持ちを伝えることに極めて重要な役割を果たしてくれるのだ。 そして、何より子供とのメールでのやりとりが潤滑油になるのだ。

 子供が大きくなったときに、メールが家族の潤滑油を果たしてくれるように、するためには、子供が小学生のうちにいくつかのことを親子で身に着けておかなくてはならない。

<親子で学ぶべきメールコミュニケーションのポイント>

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けんじろう

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吉田 賢治郎

吉田 賢治郎

日本IBM Web&SW.com事業部 部長
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