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外国語の固有名詞が中国に入るときに、北京・上海(標準中国語)経由で入るか、香港(広東語)経由で入るかによって、どのような漢字で表記されるかが大きく影響を受ける。

固有名詞ではないが、中国旅行をしたことがある誰もが知っている外来語の代表例が「的士」(タクシー)だ。
これは香港経由で中国語に入った言葉の代表格。
広東語の発音は「dek si」となるので、なんとなく英語の taxi を連想しやすい。
ただ、この「的士」という文字列をそのまま標準中国語に持ち込むと、発音が「di shi」となってしまうので、聞いただけでは taxi を連想できない。

固有名詞の例を上げると、「華盛頓(ワシントン)」
これも広東語経由で入った言葉で、香港人が発音すると wa sing ton。
標準語では hua sheng dun なので、微妙だ。

「星加波(シンガポール)」は、広東語で sing ga bo、標準語で「新加波」 xin ja poと字が一字異なる。

北京・上海(標準中国語)経由で入った固有名詞でわかりやすいものに「克林頓(クリントン)」がある。
標準語では ke lin dun という発音で、テレビやラジオで偶然ニュースを耳にすると「あ、クリントンのニュースをやっている」ということがすぐにわかった。
ただ、この「克林頓」という文字列はそのまま広東語圏(香港)にも持ち込まれていて、広東語で発音されている。
発音は hak lam ton となり、見事に原型を残していない。

昔は香港がイギリスの植民地であったことと、いろいろな意味で中華圏における香港の地位が非常に高かった事もあり、広東語経由で入る英語表現がたくさんあった。
しかし、最近は大陸の方の地位が高くなっているので、標準語経由で入る外来語が増えているように感じる。

ところで、台湾経由で入る名詞もあるのだが、台湾経由のものが大陸に浸透する例は決して主流ではない。同じ人、物、地名でも、台湾独自の表記が使われている例も多々ある。

外国語固有名詞の表記も、そのうち標準語の音からすべて作られる運命なのかなぁ。

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大里真理子

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大里真理子

大里真理子

(株)アークコミュニケーションズ 代表取締役社長
<目指せグローバルなビジネスコミュニケーション!>
翻訳/通訳/ローカリゼーション・Web/クロスメディア制作・
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