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ITネタではないのですが、ちょっと気になっていることを。

ご存知の方も多いと思いますが、今日11月30日に2人のスポーツ選手の謝罪会見が予定されています。相撲の朝青龍関と、ボクシングの亀田大毅選手です:

30日会見で朝青龍“キレたら即クビ”…協会幹部断言 (スポーツ報知)
大毅、新トレーナーも「シロー」さん…30日謝罪会見 (スポーツ報知)

奇しくも同じ日の会見になったわけですが、両方の会見について、同じ違和感を感じます。果たしてこの会見、誰に向けて行われるものなのでしょうか?

確かに両者とも、非難されること(反則と仮病)を行ってしまいました。特に亀田選手の場合、試合相手であった内藤選手の選手生命をも危うくする行為だったわけですから、反省があって当然です。しかし彼は既に「内藤選手の家に出向いて謝罪した」という報道がなされていますし、反則を促したとされる兄の興毅選手、父の史郎・元トレーナーも謝罪会見を開いています。しかも内藤選手自身が「もう許した」という発言を行っていますし、これ以上誰に対して謝罪するのでしょうか。

朝青龍関については、言い方は悪いですが「ただのウソ(かもしれない)」なわけです。どこかの誰かのように稽古中に弟子を殺したわけでもないのですから、例えば巡業などの場でファンに一言「すみませんでした」と言えば済むことでしょう。「謝罪会見」というのは、何か大げさなような気がします。しかも報知の記事によれば、「キレたら即クビ」なんて脅しまで付いているようですし……謝罪会見って、いったい何なのでしょうか?

僕は何か、謝罪会見というのはマスコミ用の「ネタ」を作る場のように感じてしまいます。良くも悪くも注目を浴びる人を引っ張り出してきて、「マスコミ映え」のするコメントや態度を引き出す。わざわざ会見というスタイルを取るのは(会見を求めたのがマスコミであるにせよないにせよ)、本来の「謝罪の意を表す」以上の意図があるような気がしてなりません。

本来、報道というものは、地道な調査の結果をまとめて読者に示すものではないでしょうか。だからこそ、組織力・資金力のある組織にしかできない行為なわけで、その結果を読める・見れるメディアにお金を払う気になるわけです。しかし一見華やか(?)な「謝罪会見」を嬉々として報じるというのは、誰がやっても同じ(前回の亀田一家による謝罪会見の時などは、午後6時台のニュースはどのチャンネルも同じ画面、なんて状態でした)。結局マスメディアからの視聴者ばなれ・読者離れを招くだけではないでしょうか。

個人的には、2人の謝罪会見には興味ありません。それよりも2人がこれからどのように態度を改め、どのように活躍するかの方に興味があります。そういった興味をフォローしてくれる新聞やテレビ番組が、本当は欲しいのですが……。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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