シロクマ日報:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) シロクマ日報

決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

« 2007年11月27日

2007年11月28日の投稿

2007年11月29日 »

メルヘンなタイトルですが、ちゃんとITネタだったりします。

中古品を買ったときに、「前の持ち主はどんな人だったんだろう?」と想像することはないでしょうか。クルマや家具、本やアート作品などなど。小さなキズが付いているのを見て、「ここは落として付けてしまったのかな」と考えてみたり。そんな楽しさを、RFIDで増してしまおうというアイデア:

RFIDタグを付けた、アルテックのセカンドサイクル家具 (excite.ism)

フィンランドの家具メーカー、アルテック(Artek)が販売している「RFIDタグ付きのリサイクル家具」について。要は食品のトレーサビリティと同じイメージで、RFIDタグで家具の歴史(作られた場所や歴代のオーナーなどの情報)を記録しておこうというもの。現在は同社の椅子が対象となっているようです。

公式ページ(Artek 2ndCycle)には、以下のような解説があります:

A coded RFID tag embedded in each 2nd Cycle item records the furniture's history, stories, as well as information about its origins. The tag can be read by mobile phone, revealing an internet link to the particular item's history, allowing also new owners to upload their own stories..

それぞれのリサイクル製品に埋め込まれているタグには、家具の歴史、物語、出身についての情報が保管されています。タグは携帯電話から読み込み可能。読み込むとインターネットのリンクが表示され、これまでの歴史を見ると共に、新しいオーナーが自分自身のストーリーを書き込むこともできます……

おぉ、過去の情報を確認するだけではなくて、自分の情報を追加することもできるのですね。逆にその家具を手放した人が、今のオーナーがどんな人か確認する、という体験も可能になりそうです。もちろんプライバシーなど様々な問題があると思いますが、例えば娘に買ってあげた椅子が「以前の持ち主も、この子と同じぐらいの女の子だったのかぁ」と分かったり、「あの椅子の新しい持ち主も、この子と同じ遊び方をしているのかな」と想像できたりしたら楽しいかも。

この仕組み、家具だからこそ可能なのかもしれませんが、様々な中古品に応用できるのではないでしょうか。もしかしたら、「過去の歴史を買う」「歴史をつないでいく」ということが新品を買う以上の価値と見なされるようになるかもしれません。それがモノを大切にする精神につながっていったら、テクノロジーの進歩が過去を守る、という稀な事例になるかもしれませんね。

アキヒト

« 2007年11月27日

2007年11月28日の投稿

2007年11月29日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
akihito
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ