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iUG (intra BLOG/SNS Users Group)では、社内ブログや社内SNS等、エンタープライズ2.0に関する記事を集めたソーシャルニュースサイト「iUG Newsing」を開設しています。ここに集められたニュースを見ると、ブログと同時にSNSも社内システムとして受け入れられつつあることが分かるのですが、最近感じることが1つ。それは「MySpace型の社内SNSってダメなんだろうか?」という疑問です。

ご存知の方も多いと思いますが、米国発のSNS"MySpace"では、個人ページをかなり自由にカスタマイズすることが可能です。それが自己主張したい若者たちにとって魅力の1つなわけですが、日本国内のSNSに目を向けると、Mixi に代表されるように「決められたレイアウトに情報を入れていく」というのが主流になっています。  
※ただし携帯電話でのSNSでは、アバターという形で自己主張できるものがあり、また携帯電話版 Mixi では「Mixi コレクション」というカスタマイズツールが用意されています。この辺は、「米国での MySpace と同じ位置を、日本では携帯電話SNSが占めている」と解釈できるかもしれません。

その意味で、個人ページを自由にデザインできるのが「MySpace 型」、決められたデザインに従わなければならないのが「Mixi 型」と呼ぶとすると、社内SNSでは圧倒的に Mixi 型が主流なのではないかと思います。「社内SNSは自己主張してもらうためのものではないのだから、カスタマイズなんてできなくていい」と言われるかもしれませんが、果たしてそうでしょうか。

最近、『オフィスと人のよい関係―オフィスを変える50のヒント』という本を読みました。タイトルの通り、良いオフィスとは何かを考える本で、テーマごとに3つの章・50個のヒントから構成されています。そのNo.41「デスクの飾り付けでやる気アップ」というヒントに、こんな一節がありました:

米国UCバークレー校の名誉教授で建築家のヴァン・ダー・リンらの調査によると、学生寮で個室の壁にポスターなどを張ることや、部屋の模様替えを規則によって禁止すると、やる気が下がる学生が多い、という結果が得られたそうです。

(中略) 

ワーカーの意識を調べたところ、「オフィスのデスクを飾り付けたいかどうか」という質問に対して、全体の31.7%が「非常にそう思う」、41.5%が「ややそう思う」と回答。全体の73.2%の人がデスクを自由に飾り付けたいと思っていることがわかりました。 

デスクを自由に飾り付けたい理由としては「気分転換になるから」と答えた人が、飾り付けたいと回答した人の86.7%を占めました。

さらに「自席を飾りつけるのは楽しいことだから」が48.9%、「自分の居場所をつくりたいから」が44.4%と続きます。こうした結果からは、デスクの飾り付けがどれだけメンタル面に大きく貢献しているかがうかがえます。

とのこと。今度は「いやぁ現実のオフィスと、サイバースペースでは話が違うよ」と言われてしまうかもしれませんが、自分のPCのデスクトップをあれこれ設定するのって、意外に楽しいと感じませんか?一方で最近では、セキュリティ上の理由から、自分に与えられたPCでも自由に設定変更できないことが多くなっています。またフリーアドレス制を導入し、管理職でないと自席を与えないという会社も多いでしょう。それならせめて、社内SNS上の自分のページだけは、自由に飾り付け可能なスペースであってもいいのではないでしょうか。

それでも「いや、そんな遊びのシステムを導入されては困る!」という意見もあると思います。仰る通り、と言いたいところですが、社員が自己主張することは果たして「無意味な遊び」でしょうか。自己主張からその人に対する理解が生まれ、さらに交流を促す効果もあると思うのですが、皆さんはどう感じられるでしょうか。

この記事を iUG Newsing でもピックアップしています。よろしければ、ぜひコメント下さいませ。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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