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何だか「朝の3分間スピーチ」みたいなネタになってしまいますが。カナダの博物館で、こんな話があったそうです:

カナダの博物館、目当ての恐竜標本を所蔵品から発見 (Reuters)

こちらは日本語版の記事ですが、原文(カナダ版)のタイトルが洒落ています:

Canadian museum makes rare find -- in own building (Reuters.ca)
(カナダの美術館が、めったにない発見をした -- 自身のビルの中で)

トロントにあるロイヤル・オンタリオ博物館(Royal Ontario Museum)での話。12月15日から"Dinos Are Back"(恐竜が帰ってきた!)という展覧会を行う予定なのですが、大型恐竜の骨格標本を探していたところ、実は既に手に入れていたことが判明したそうです。

同博物館が(実は)所蔵していたのは、体長24メートルのバロザウルスの化石。1962年に購入したのですが、展示スペースがなかったためにバラバラにされて保管されていたそうです。しかし「これらの骨が1体の生物のものである」という表記がなかったため、そのまま忘れ去られてしまうことに。しかしたまたま古い文献に記述があったのを研究員が読み、事実が判明したとのこと。博物館では12月の展覧会に、この標本を展示することを計画中だそうです。

博物館と言えば、貴重な品々を集め、展示・研究するのが仕事。優秀な研究員も数多くいらっしゃるのでしょうから、何かを保管しておくなどというのは朝飯前のはずですが、こんなこともあるのですね。ラベルがなくても、実際の化石を研究すれば、同じ1体の恐竜の骨格であれば誰か気付きそうなものですが……(実際に化石を研究したことはありませんので、「そんな簡単じゃないんだよ!」というお叱りはどうかご勘弁下さい)。

しかしこの話、蓄積されたモノの中から「知識」を見つけるのが、いかに難しいかということを示しているのではないでしょうか。目の前にあるのが「キチンと保管されておくべき大事なモノ」であるということは分かっても、「これは○○恐竜の骨の一部だ」という一言が無かったために、40年以上もほったらかしにされてしまったわけですよね。これが普通の会社だったら、「何か古い資料があるけど、よく分からないから捨てちゃおっか」で廃棄されていたかもしれません。逆にロイヤル・オンタリオ美術館は「よく再発見した」と誉められても良いぐらいなのかも。

というわけで、適切なラベル付けがされていないために眠っている「貴重な化石」たちが、どんな会社・組織にもあるのかもしれません。御社は大丈夫ですか?

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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