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食欲の秋。あなたは秋の味覚・梨を味わおうと、仕事帰りにスーパーに立ち寄りました。さっそく二十世紀梨を見つけ、手を伸ばします。すると、こんな掲示があることに気づきました:

「二十世紀梨」について
まだ最盛期に比べたら、今ひとつの食味です。おいしくなりましたら、またお知らせ致します。

わざわざ「まだ美味しくない」と教えてくれるなんて!こんなスーパーがあったら驚きますか?

実はこの話、あるスーパーが実際に行っていることなのだそうです。日経ビジネスの最新号(10月2日号)に、低価格スーパーのオーケーを紹介する記事が載っていました:

■ 戦略フォーカス 顧客の囲い込み~オーケー(食品スーパー) 「説明書き」で安さに安心感 (日経ビジネス 2006年10月2日号)

オーケーと言えば、「エブリデー・ロープライス(EDLP)」戦略で有名ですが、実は安さだけでなくお客様に対する情報発信にも力を入れているのだとか。と言っても、ウェブページを充実させるといった流行の手法ではなく(そもそも非公式サイトの方が充実しているぐらいです)、店内に様々なメッセージを掲示するという取り組みを行っているそうです。

例えば、値上げといったネガティブな情報は、普通のスーパーではことさらに発信することはありません。ところがオーケーでは、わざわざ「オネスト(正直)カード」という説明書きを作り、

主原料の価格が値上がりしている為、メーカー希望小売価格の値上げになります。本体344円(税込361.20円)→本体368円(税込386.40円)に9月11日(月)より値上げさせていただきます。誠に申し訳ございません。

などのようにお客様に伝えているそうです。その他にも、冒頭の梨の例や、価格が安い理由、品揃えの説明など、様々な情報発信を行っていることが紹介されています。

オーケーがこのような情報開示を行うのは、ひとえに「お客様に信頼され、ファンになってもらうこと」を目指しているからなのだとか。確かに良いことも悪いことも、すべて明らかにするという姿勢を続けていれば、お客様の信頼感は増すに違いありません。そうした「お客様をファンにする」という姿勢が、ファンが非公式サイトまでオープンしてしまうという結果につながっているのでしょう。

最近、ブログやSNSなどを通じて情報発信する企業が増えています。しかしどうも「ブログやSNSを使えば、簡単にお客をファンにすることができるのだ」と安易に考えている企業が多いような気がします。あいかわらずネガティブなコメントやトラックバックを拒否し、「炎上」する企業ブログ/(SNS内の)企業コミュニティが後を絶たないのは、その表れではないでしょうか。だからと言って、「批判的な意見が2に対して肯定の意見が8程度のバランスにしておけばいいだろう」という態度では成功しません。お客様が求めているのは、企業の都合で話すのではなく、お客様の都合を考えて話すことなのです。

オーケーの情報発信の成功は、企業がブログやSNSを始める前に、備えておかなければならないことは何かを示しているのではないでしょうか。仮にオーケーの各店舗がブログを始めたとしたら、どんな情報が発信されるのだろうか・・・と、ちょっと想像してしまいました。

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アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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