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昨日はWBCの決勝戦「日本vs.キューバ」があり、久しぶりに野球観戦で興奮しました。僕と同じように、野球の面白さを再認識したという人は多いのではないでしょうか。優勝で一時期低迷していた野球人気が復活し、ビジネスとしても盛り上がるのではとの期待もあるようです。しかし同じように注目を集めながら、その将来が不安視されているスポーツもあります--それはカーリングです。

カーリングといえば、トリノ冬季五輪での日本勢の活躍が記憶に新しいところです。しかし先日の朝日新聞土曜版の記事(生島淳「読み・解くスポーツ カーリングを支える」)によれば、日本のカーリング界は危機的な状況にあるそうです。中国・韓国が国を上げて選手育成に取り組んでいるのに対し、日本は財源の問題から同レベルの強化を行うのは難しいとのこと。国がダメなら企業に支援をお願いしたいところですが、ご存知の通り企業のスポーツ支援も縮小傾向にあり、期待はできません。

野球・サッカーといったメジャーなスポーツですら苦しい経営を続けているのですから、マイナーなスポーツが活動を続けるには新たな財源を見つけなければなりません。その1つの手段となり得るかもしれないという取り組みが、先日の日経産業新聞に掲載されていました:

■ 知名度の低いスポーツの選手 サイトの収益で支援(日経産業新聞 2006年2月20日第17面)

インターネット広告のバリューコマースら3社が、知名度の低いスポーツの選手を支援するサイト「BLUETAG.JP」をオープンするとのこと(現在試験開設中で、4月から本格運用)。このサイトは広告や関連商品の販売で収益を得て、その3分の1を支援金としてフリーダイビング、トライアスロン、ビーチバレー、エアロバティック(曲芸飛行)、UKフォーミュラーフォード(自動車レース)の5人の選手を支援するそうです。バリューコマースが運営にかかわっているということで、 BLUETAGのアフィリエイト広告も開始するとのこと。

ちなみにこれがBLUETAGのバナー。BLUETAGのサイト上でHTMLコードが公開されています。ブログ等を通じてバイラルに知名度を向上させる、という企業のPRではお馴染みとなりつつある手法を活用していくようです。(残念な点はサイト全体がFLASHで作成されていること。最新バージョンのFLASHがないと見ることができない上に、FireFoxバージョン1.5では正しく表示されませんでした。)

広告収入やグッズの売上を得る方法は、現実世界ではごく普通に行われています。F1ドライバーを見れば全身広告だらけですし、東京ドームに行けば巨人の上原投手グッズが山のように手に入ります。BLUETAGはそれをネット上で展開し、さらにアフィリエイトで効率的な集客を図ろうとしている点がユニークと言えるでしょうか。この仕組みが上手く行けば、現実世界で「広告+グッズ販売」という手法を取れない小さなスポーツ団体/個人に対し、新たな収益の道を開くことになるでしょう。

その一方で、アフィリエイトを活用することは新たな課題も生みます。それはこれまで以上に自分達の競技の魅力を伝える努力をしなければならない、という点です。トリノ五輪でカーリングが人気を得た理由の1つは、テレビの実況解説が分かりやすかったことでした。解説により視聴者は、カーリングという競技の魅力と奥深さを知ることができたわけです。これまでは「アピールは競技でする、試合中の姿を見てくれ」というストイックな姿勢が良しとされてきましたが(個人的には、その姿勢もカッコイイと思いますが)、ネットの世界では誰もが他人の注目を集めようとしています。無言で待っているだけでは、決して注目が集まることはないでしょう。自ら「優れた解説者」となって、ブログ/SNSなどを通じてファンを獲得する努力が必要になると思います。

もしかしたら、今後はアフィリエイトの仕組みを提供するだけでなく、ネット上で競技の魅力を伝えるにはどうすればよいかを教える「PRコンサルタント」的な役割を行う人々が出てくるかもしれません。またスポーツに限らず、将棋や数学オリンピックなどといった競技を支援する際も、アフィリエイトなどWEBマーケティングの手法を活用するケースが増えてくるのではないでしょうか。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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