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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

各国殺到の米国東海岸産原油リアルタイム調達実務マニュアル(2026/4/13)

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今泉大輔です。X(Twitter)はこちら @researchpro_jp 【X速報】経営者が読むNVIDIAのフィジカルAI / ADAS業界日報 by 今泉大輔

さて。月刊「CardWave」というカードビジネス専門誌の編集部員・編集長をやっていた時期が7年間あり、業界誌的な感覚で特定の経済状況を見る目線が私にはあります。今般のホルムズ海峡封鎖に伴うエネルギーやロジスティクスの状況は業界誌的な感覚を大いに奮い立たせるものであり、平時はAIデータセンターなどの動向を上げている本ブログでこのような投稿を上げる次第です。

政府・経産省によると中東産原油が紅海経由で調達できているとのことで、まずは何より。しかし調達量が多く確保できる米国東海岸産原油についても手配が急がれる状況かと思います。ふだん米国東海岸産原油の調達に当たったことのない実務担当者向けに、原油調達と傭船については米国の専門家と肩を並べる学習量のあるGeminiに詳細を調べさせました。(Geminiは日本語を話しますが、中身は米国人です。Roleを与えると原油調達等の超絶専門家になります。)

なお、長く生きている関係で、私も木質バイオマス燃料であるインドネシア産PKSの調達実務に携わっていた時期があり、傭船のイロハのイぐらいはわかります。

レポート末尾に引用文献リストがあります。今回も40本強の英語資料を引用しています。GeminiはDeep Researchする過程でその10倍ぐらいの資料を見ています。

例によってレポート本体は開業準備中の「さっつーのAIエージェント:監修 今泉大輔」に置いています。目次の該当項目をクリックしてレポート本体に飛んで下さい。

関連投稿:

アラスカ産原油調達の詳細がわかる実務ガイド:米国資料を精密にAI深掘り調査(2026/3/26)

日本の製油所に適合した中東産アラビアンライトに代替できる非中東産原油のブレンドパターンに関する報告書

部分引用

第8章 非経験商社および実務担当者への具体的アクションプラン

米国産原油の経験がない組織が、この激動の市場で生き残るための具体的なステップを以下に提示する。

1. 契約形態の転換:FOBからCFRへ

米国産原油は、中東産のような「仕向け地制限」がない自由な取引が特徴である。しかし、輸送リスクが極大化している現在、実務経験の乏しい企業がFOB(本船渡し)で船舶を手配するのはリスクが高い。当初はCFR(運賃込み渡し)での契約を優先し、輸送リスクをメジャーや経験豊富な商社に転嫁しつつ、徐々に自社手配(VLCCチャーター)の比率を高めるべきである。

2. ライターリング・コストの精査

ヒューストン等の主要港で調達する場合、VLCCへの「ライターリング(Ship-to-Ship)」は不可避である。このコストは通常バレル当たり1ドルから3ドル程度上乗せされる。また、洋上での積替え作業には天候による遅延リスクが伴うため、デマレッジ(停泊超過料金)の分担について契約書上での厳密な定義が必要である 。

3. 金融支援の最大活用

JOGMECが提供する「石油・天然ガス開発等にかかる債務保証」は、単なる上流投資だけでなく、資産買収や戦略的な長期購入契約にも適用可能である 。また、中小規模の商社やサプライヤーに対しても、政府系金融機関による低利融資(セーフティネット貸付)が拡大されており、流動性確保のためにこれらを活用すべきである 。

4. 地域横断的な「スワップ」の検討

日本が保有する海外権益(カザフスタンのカシャガン原油やアゼルバイジャンのACG原油等)を、欧州の需要家と「スワップ(交換)」し、欧州側が確保している米国産原油を日本が受け取るというオペレーションが有効である。INPEXなどはすでにこうした優先供給の検討を開始している 。


  1. 米国連邦政府によるエネルギー輸出覇権と日本における原油調達戦略の再構築:ホルムズ海峡封鎖下での実務的指針
  2. 序論:グローバル・エネルギー秩序の不可逆的転換とイスラマバードの断裂
  3. 第1章 イスラマバード交渉決裂の深層と地政学的帰結
    1. 交渉決裂の主要要因と市場へのインパクト
  4. 第2章 米国産原油の供給ポテンシャル:2026-2027年の展望
    1. 米国原油生産予測データ(2026年3月EIA短報に基づく)
  5. 第3章 市場の異常事態:WTIプレミアムとベンチマークの逆転
    1. リアルタイム価格の逆転状況(2026年4月上旬)
  6. 第4章 ロジスティクス実務:米国東海岸・湾岸のターミナル分析とVLCC戦略
    1. 米国主要輸出拠点の機能比較
    2. 米国湾岸からの輸送ルートと所要日数 (VLCC)
  7. 第5章 日本政府の支援策と経済産業省の政策枠組み
    1. 日米戦略的投資(Japan-U.S. Strategic Investment)の具体的内容
  8. 第6章 精製および発電実務における技術的課題と対応
    1. 原油特性と設備適合性
    2. 具体的スペック比較表
  9. 第7章 パナマ運河の不確実性と「インターオーシャニック・エネルギー・コリドー」
    1. 2026年後半のエルニーニョ・リスク
    2. 戦略的解決策:エネルギー・パイプライン計画
  10. 第8章 非経験商社および実務担当者への具体的アクションプラン
    1. 1. 契約形態の転換:FOBからCFRへ
    2. 2. ライターリング・コストの精査
    3. 3. 金融支援の最大活用
    4. 4. 地域横断的な「スワップ」の検討
  11. 結論:新・黄金時代の地政学と日本の選択
  12. 引用文献

EXECUTIVE
5/21 (木) 10:00-
※会場開催なし
1. Zoomライブ
2. アーカイブ
【供給途絶・価格高騰にどう備えるか】

地政学リスクを勝機に変えるAI活用実務
〜AI OSINTで読み解くホルムズ海峡危機とB2B営業・調達のための先読みレポート作成〜

【本ブログ記事のような「超高解像度レポート」を自分で作成できる】

ビジネス現場で価値の高い「ナフサ代替調達先に関するリアルタイム詳細レポート」のような、高精度・高解像度なAI OSINT(ChatGPT/Gemini + Deep Research)の出力結果を得るための実践的なノウハウと構造化プロンプトを伝授します。

供給危機や物流遅延に直面するB2B営業、調達・購買、経営企画の方へ。膨大な海外情報から「7日後・30日後シナリオ」を自動生成し、顧客を動かす「攻めの提案レポート」を爆速で作成する手法を解説します。


講師:今泉 大輔(株式会社インフラコモンズ 代表)

主催:SSK 新社会システム総合研究所

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