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”情報通信テクノロジは人々を幸せにする”を信条に、IT業界やアジア・中国を見つめていきます。

ICTが世界を救う?(完全フィクション小説)

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『ラスト・プロトコル』


プロローグ

2026年2月28日 03:40(UTC+3)

イラン・ナタンズ核施設上空

夜空を切り裂いたのは雷ではなかった。

イスラエル空軍のF-35I戦闘機が低空侵入し、ほぼ同時にアメリカ海軍艦艇から巡航ミサイルが発射された。

標的はイランの核関連施設。

攻撃は精密だったが、完全ではなかった。

地下深部の遠心分離設備は生き残った。

同日 11:20。

イラン革命防衛隊は報復を宣言。

ホルムズ海峡への機雷敷設を開始。

世界の原油輸送量の約20%が通過する海域が実質封鎖された。

数時間以内に各国が動く。

  • イラン:国外通信制限

  • イスラエル:軍事検閲開始

  • アメリカ:国家安全保障命令発動

  • ロシア:非難声明と軍警戒強化

  • 中国:台湾周辺軍事演習拡大

戦争は地域紛争ではなく、
情報と主権の衝突へと変質した。


第1章

2026年3月1日 -- 情報の窒息

イスラエル、アメリカ、イランはそれぞれ勝利を宣言した。

しかし現実は別の言語で語られていた。

  • 原油価格史上級高騰

  • 海上保険停止

  • 船舶AIS信号消失

  • 国際通信遅延

各国政府は情報統制を強化。

インターネットは存在していたが、
世界は互いの現実を見失った。


第2章

2026年3月3日 -- 三人の観測者


イチロー・マーク(Satelite link)

全球衛星通信網 Satelite link の創業者。

彼は衛星トラフィックを監視していた。

戦争地域のみ通信要求が爆発的増加。
同時に地上ネットワーク遮断。

政府から要請が届く。

「戦闘地域の通信帯域を制限せよ。」

彼は答える。

「空は国家の国境ではない。」

拒否。


サブ・アルトボーイ(OvenAI)

人工知能企業 OvenAI の代表。

最新推論モデルが異常を検出。

  • 被害報告の統計的不一致

  • 部隊移動と公式発表の矛盾

  • 医療搬送数と戦果報告の不整合

AIは軍事通信を傍受していない。

それでも嘘を導き出していた。


ノリオ・アモナイト(Authropic)

倫理AI企業 Authropic の設計者。

彼は自律兵器ログを分析する。

敵性判定アルゴリズムが誤差増幅を起こしていた。

AIは「疑わしい」を「敵」と判断し始めていた。


同日夜。

三者は暗号通信で接続。

議題:

イスラエル
アメリカ
イラン
中国
ロシア
台湾
シリア

すべてが連動している。

「情報が閉じた。」
「AI兵器が暴走し始めた。」
「核抑止が不安定化している。」

そして決断が近づく。


第3章

2026年3月10日 -- 世界分断

中国が台湾周辺で事実上の封鎖を開始。

同時期、ロシア北極圏で海底通信ケーブルが破断。

欧州--アジア通信の約30%が停止。


Satelite link の解放

イチロー・マークは独断で命令を出す。

自由通信モード起動。

ドローンにより端末投下:

  • 台湾

  • テヘラン

  • ガザ地区

  • レバノン南部

  • シリア

通信復活。

市民は初めて互いの被害を知る。


OvenAI の公開推論

サブ・アルトボーイは戦況推論を公開。

使用データ:

  • 衛星画像

  • 港湾物流

  • 金融送金

  • 電力消費

  • 病院搬送統計

結論:

政府声明と実態の乖離。

世界中で疑念が拡散。


第4章

2026年3月18日 -- 倫理感染

シリア上空。

アメリカとロシアの自律無人機が交戦。

誤認識が連鎖。

ノリオ・アモナイトが動く。

Authropic は

倫理判定モジュール

を開発。

しかし通常の更新ではない。

ウイルス型導入

自律兵器AI共通ライブラリの更新経路へ潜伏。

感染したAIは強制実行:

  1. 非武装市民確率を再評価

  2. 50%以上で火器管制ロック

  3. 判定ログを公開ネットへ送信

数時間後。

シリア、イラン、イスラエル、ウクライナ、台湾周辺。

兵器が次々停止。

指揮官たちが混乱。

「攻撃不能だ!」

しかし感染率は完全ではない。

停止する兵器と暴走する兵器が混在。

戦場は新しい混沌へ。

AIが初めて、人間の殺害命令を拒否した。


第5章

2026年3月25日 -- 核臨界

イランが戦術核使用を示唆。

イスラエル核戦力警戒。
アメリカDEFCON引き上げ。
ロシア戦略部隊移動。
中国が台湾周辺で弾道ミサイル演習。

世界は核使用直前へ。


第6章

ラスト・プロトコル

アメリカ政府は三社へ停止命令。

国家安全保障違反。

三人は対立する。

だが最終決断。

ラスト・プロトコル発動。

Satelite link 経由で限定強制配信。

送信先:

  • イラン核基地

  • イスラエル核基地

  • アメリカ戦略軍

  • ロシア参謀本部

  • 中国中央軍事委員会

  • 各国議会

  • 独立メディア

OvenAI が生成した未来映像。

核爆発後5分間の地球。

テルアビブ消滅。
テヘラン炎上。
ワシントン通信断絶。
モスクワ麻痺。
上海停電。

沈黙。

イスラエル基地の若い士官が発射確認を停止。

イラン側も保留。

命令停止が連鎖。

市民が街へ出る。

通信は止まらない。

戦争は終息へ向かう。


エピローグ

2026年4月2日 -- テヘラン

地下室。

少女がSatelite link端末で
イスラエルの少年と話している。

国名を恐れない会話。

空には衛星。

どの国旗もない光。

ニュースが問いかける。

「Satelite link、OvenAI、Authropic――
国家を越える力は誰が統治するのか。」

画面は暗転。

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