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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

読中メモ:When Markets Collide

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ドラッカーが存命中なら現在の状況についてどう書くだろう?などということを時々考えます。現在起こっている変化を一過性のものとして捉えるのか?それとも何か根本的なものが変化していると捉えるのか?

「フラット化する世界」で非常にリアリティのある世界の”いま”を報告してくれたトーマス・フリードマンなら、現在の状況をどう書くのでしょうか?例えば1ヶ月間世界各国を見て回ったとして、何が彼の関心を捉え、何を主テーマに据えるのでしょうかね?まさかタイトルが「デコボコになりつつある世界」にはならないと思いますが(爆。

事は「金融危機とそれに伴う実体経済の悪化」という常套句で括れるものではないのではないか、という気がし始めていますが、みなさんはいかがですか?

この状況を正しく認識するための枠組みが必要だと考えています。日々様々なことが起こるなかで、大きなトレンドがどこに向かっているのかを見失わず、それでありながら日々の仕事や意志決定などに生かせる枠組みが欲しいところ。

池田信夫氏が推薦していた書籍「When Markets Colide」(Mohamed El-Erian著)を注文して取り寄せてみました。書籍の紹介文には、現在大きな変化が起こっているなかで、どのような投資戦略が有効なのかを論じているという意味のことが書いてありました。投資戦略=未来の先読みですね。
Mohamed El-Erianは、世界最大の債権投資信託Total Return Fundを運用する投資会社PIMCOのCEO。債権界のチャンピオンだという形容をCNNか何かで見たことがあります。

本を取り寄せてすぐに落胆してしまいました。というのも同書が書かれたのは主に2007年。一部が2008年1月に追記されて刊行されています。つまり、その後に起こった大きな動きを踏まえていません。短絡的ながら古くて使い物にならないのではないかと思ってしまいました。

しばらく放置しておいて先日頭からゆっくり読み直して見たところ、以下が判明しました。

・2008年9月のリーマン破綻以降、立て続けに起こった金融界の激震をほぼ正確に見通している
・金融界が抱えている問題をほぼ網羅している
・新興国から先進国へという大きなお金の流れを歴史的な視点で見ている(歴史が大きく変化しようとしていることを認識している)

ということで先入観を改めて、わくわくしながらちまちま読み進めているところです。

各所で「歴史観がしっかりあるなぁ」という印象を持ちます。2007年の動きを振り返った部分なども、あたかも歴史書を読んでいるかのような読書経験が味わえます。沈着な方なのでしょう。

同書によると、投資銀行が積極的に販売していたCDOなどの機関投資家向け商品は”過剰生産かつ過剰消費”という状況にあったそうで、その市場が維持不可能であることは明白だったようです。格付会社もそうした商品に高格付を与えていたため、世界各国の銀行等が喜んで買っていた様が窺われます。

ただそれは現象の一側面であり、もっと本質的には、グローバライゼーションによって富を蓄積した新興国が自国ではそのお金を消費しきれないばかりか、投資先もほとんどないということがあるようです。なので、そのお金が米国などに回って過剰消費を支える構造になる。

ここまでは多くの人の共通理解になっていると思います。この先で何が書かれているかですね。楽しみです。

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