永井孝尚のMM21:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 永井孝尚のMM21

マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2007年5月21日

2007年5月22日の投稿

2007年5月23日 »

戦略を考える際、我々はつい縦軸と横軸にパラメータを取って、マトリックスを描いてモノゴトを整理しがちです。

しかし、「ドラッカーのIT経営論:“図”をまったく使わない訳」によると、ドラッカーはこのことに警鐘を鳴らしていたようです。

---(以下、引用)----

マトリクスであれば、ある定義にそって境界線を引く。その境界線は不変ではなく動く可能性がある。そのことを頭に入れてマトリクスを使うのであればいい。そうではなく、モデルの境界線や座標軸が絶対と思ってしまったら、大きな間違いを犯す危険がある。

モデルが便利な道具であることは間違いない。優れたモデルを使うと、物事の全体をうまく整理でき、気が付かなかった課題を見出せる。現場の各論の解決に走り勝ちな日本企業にとって、各論をいったんモデルの中に置き、優先順位や課題の整理をすることは意味がある。ただし、美しい絵を描いただけで物事は進まないし、いったん進み出したとしても絵の通りにはいかない。臨機応変が必要である。

---(以上、引用)----

なるほど、確かにドラッカーの著書で図は見たことがありませんね。

このブログでも、市場は生き物であり、市場という地形やルールはよく変わってしまうということを書いていますが、ドラッガーが指摘しているように、この市場のルールに基いて作ったモデルは、ルールが変わると当然変わることになります。

従って、一旦描いたモデルを金科玉条とすることなく、モデルには賞味期限があるということを十分に理解した上で活用したいですね。

さらに一歩進んで、自分で作ったそのモデルを自ら破壊して新しいモデルを作れるようになりたいものです。

nagai

« 2007年5月21日

2007年5月22日の投稿

2007年5月23日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
mm21
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ